大阪桐蔭・根尾 2三振のち初の公式戦サヨナラ打 秘めた4番のプライド

[ 2018年5月13日 08:09 ]

春季高校野球大阪大会準々決勝   大阪桐蔭5―4寝屋川 ( 2018年5月12日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

<寝屋川・大阪桐蔭>9回2死一塁、サヨナラ打となる左越え二塁打を放った大阪桐蔭・根尾(左)が整列に向かう
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 大阪大会は2会場で準々決勝4試合があり、4強が出そろった。今春の選抜大会を制した大阪桐蔭は公立の寝屋川に大苦戦。「4番・遊撃」で先発した今秋ドラフト1位候補の根尾昂内野手(3年)が9回に公式戦では自身初となるサヨナラ打を放ち、激戦にピリオドを打った。

 4番が燃えた。大阪桐蔭は1点を追う9回2死二塁から3番・中川主将が二ゴロ。これで試合終了かと思われたが、二塁手が後逸した。二塁走者が一気に同点のホームを踏むと、続く2死一塁で根尾に打席が巡ってきた。その2球目。甘く入ったフォークをフルスイングで仕留めた。左翼フェンスを直撃する二塁打。公式戦自身初のサヨナラ打で激戦にピリオドを打った。

 「延長に入るより、あそこで1本出さないと。ファーストストライクを打とうと思いました。最後の最後に甘い球がきた」

 気落ちする寝屋川のエース藤原の失投を見逃さなかった。2回はスライダーに、4回はチェンジアップにバットは空を切った。屈辱の2打席連続三振。ただ、6回の第3打席でスライダーにうまく反応し、右中間を深々と破る二塁打を放った。1安打だけでは割が合わない。4番の意地とプライドが詰まった最終回の一撃だった。

 1点リードの8回に2番手の道端が3連打を浴びるなど一挙4点を失い、逆転を許した。ただ、劣勢に立たされても副主将は冷静だった。「7、8、9回に強いチームを作ろうと言っています。まだ2回も攻撃がありましたし、追い詰められた感じはありませんでした」。崖っぷちから鮮やかによみがえった選抜王者。その中心には頼もしい背番号6がいた。(吉仲 博幸)

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2018年5月13日のニュース