阪神・板山 プロ3年目の初本塁打 初の二塁起用も発奮

[ 2018年5月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―6広島 ( 2018年5月12日    マツダ )

<広・神>5回無死、板山が左越えに1号ソロを放つ
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 阪神・板山が12日の広島戦で今季初昇格し「6番・二塁」で即先発出場。5回の第2打席で左越えにプロ3年目で初本塁打を記録した。やっと巡ってきたチャンスを逃すわけにはいかなかった。新人だった16年10月1日の巨人戦以来となるスタメン。しかも初めての二塁起用という重圧の中で、板山が光を放った。

 「打った時は(得点が)1―2になる時だったので、嬉しいというより、ゲームに入っていて喜ぶことはなかった。でも、忘れられない1本にはなったと思います」

 2回の初打席を遊ゴロで終え迎えた5回先頭の第2打席。カウント2ボール1ストライクから外角の145キロ速球を捉えた打球は高く舞い上がり、風にも乗って伸び続け、左翼席フェンス上部で跳ねてスタンドに飛び込んだ。

 3年目、通算120打席目で生まれた待望の一発。劣勢だけに黙々とダイヤモンドを一周したが、ナインに「あごタッチ」で迎えられると、さすがに笑みがこぼれた。「練習の中でも逆方向への強い打球を意識していたので、結果として出てくれて良かった」。追い求めてきた打球が、惨敗したこの試合における唯一の得点となった。

 ウエスタン・リーグでは出場した38試合すべてで4番を任され、チームダントツの43安打を放ち(2位は北條の29安打)打率・285。1本塁打で打点11。好不調に大きな波はなかったが、ようやくつかんだ1軍切符だった。昇格決定時には矢野2軍監督から「上(1軍)に行ったからどう、とかではなく、下(2軍)でやってきたことをやれ」と激励された。春季安芸キャンプから指導を受けてきた矢野2軍監督に、初アーチという最高の結果で、感謝を届けた。

 二塁の守備でも5つのゴロと1つの飛球を軽快に処理。上本の故障離脱を受け、レギュラー不在となっているポジションに堂々と参戦を告げた。

 金本監督も「ファームでちゃんとやっていたんでしょう。調子が良いから、上げたんだから」と説明した。13日の広島先発は右腕・九里だけに、引き続き先発出場の可能性は十分。昨季、わずか3試合の出場に終わり、逆襲に燃える若虎が、成長した姿を1軍舞台で見せられるか、注目だ。(巻木 周平)

 ▽板山のこれまで

 ★16年 亜大から阪神入団。ドラフトでは最下位の6位指名ながら、春季キャンプは1軍途中昇格を果たし、開幕後は4月22日の広島戦に代打で初出場。5月5日の中日戦で、チーム新人では97年今岡以来のクリーンアップ起用となる「5番・右翼」で出場するなどシーズン40試合で25安打、5打点の打率・236。7月14日のフレッシュ球宴ではソロ本塁打で優秀選手賞を受賞した。

 ★17年 1軍キャンプでスタート。外野手登録のまま出場機会を求めて内野のレギュラー争いに参戦するも、開幕1軍には残れず。2軍での打撃不振も影響して、シーズン初出場は8月25日の巨人戦で、代打のみの3試合、無安打に終わった。

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