法大の“きんに君”中山 サイクル安打 六大学史上8人目の快挙

[ 2018年5月13日 05:30 ]

東京六大学野球第5週第1日   法大17―1東大 ( 2018年5月12日    神宮 )

<東大・法大>サイクル安打を達成した法大・中山はバットを手に笑顔でガッツポーズ
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 今秋ドラフト候補の法大・中山翔太内野手(4年)が東大1回戦で12年春の小室和弘(立大)以来、リーグ史上8人目のサイクル安打を達成。7回の第5打席目で今季1号となる左越え2ランを放って決めた。チームは17―1で大勝し、3カード目で待望の今季初白星を挙げた。また、立大は明大を4―3で下し先勝した。

 サイクル安打に王手をかけていたことを知らず、中山は打席に立った。7回だ。高め直球を左翼席へ叩き込んだ。快挙達成を聞いたのは、8回に二飛に倒れて交代した後だ。

 「ベンチで初めて知った。記録もうれしいが、勝てた方がうれしい。本来の仕事ができた」。声が弾む。初回の先制三塁打から勢いに乗って4安打6打点。開幕から引き分けを挟んで4連敗だったチームに、4番が初白星をもたらした。

 1メートル85、95キロのムキムキの体。筋肉を使ったギャグが売りのタレント・なかやまきんに君に掛けて、ニックネームは「きんに君」だ。趣味は筋力トレーニング。ベンチプレスは140キロを挙げる。

 通算8本塁打を誇る右の長距離砲。ただ今季は「強く叩こうとしすぎて」体が開き、上体が反り気味になっていた。東大戦前に青木久典監督とマンツーマンで修正。「ホームランを期待されているのは分かっていた」。今季初アーチでの記録達成は格別だった。

 希望進路はプロ一本。広島の苑田聡彦スカウト統括部長は「上位候補。右の小早川になれる」と、法大から広島に入って活躍したスラッガーに例えた。フィリーズの大慈彌功環太平洋担当部長も「中田(日本ハム)級のパワー」と評価した。

 中山は昨年から、大学の枠を超えて1学年上の強打者2人と交流を深めてきた。現楽天の岩見(当時慶大)と、東大を卒業して会社員となった田口耕蔵氏。試合後には「やるね!」と連絡が届いた。「ここからは全部勝つ」。自慢の力こぶをつくって、逆襲を宣言した。 (松井 いつき)

 ▼法大・森田(1年生で開幕投手を務めた15年春以来の登板。左肘手術を乗り越え2回無安打)3年間、長かった。ケガをしてつらいことや、いろんな経験を思い出した。

 ▼東大・浜田一志監督(相手が)先発・小林の対策を練ってきた。法大の方が準備が一枚も二枚も上手だった。

 ◆中山 翔太(なかやま・しょうた)1996年(平8)9月22日生まれ、大阪府出身の21歳。小1から野球を始める。中学時代は東成シニアでプレー。履正社では3年春のセンバツ準優勝。法大では2年春からベンチ入り。同年秋に東京六大学選抜としてヤクルトとの奉納試合で4打数3安打と活躍。大学日本代表候補入り。家族は両親と兄、姉。憧れの打者はA・ロドリゲス。1メートル85、95キロ。右投げ右打ち。

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