大谷、イチの前で3勝!“大人カーブ”で幻惑 7回途中2失点

[ 2018年5月8日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス8―2マリナーズ ( 2018年5月6日    シアトル )

3勝目を挙げた大谷
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 エンゼルス・大谷翔平投手(23)が6日(日本時間7日)、マリナーズ戦に先発して6回0/3を6安打2失点、6奪三振で4月8日以来の3勝目(1敗)を挙げた。カーブがメジャー移籍後最多の11球。相手打線を綿密に研究する、今までにないアプローチで好投した。尊敬するマ軍のイチロー会長付特別補佐(44)の前で、また新たな姿を示した。

 落ち着き払っていた。4回2死で打者シーガーへの3球目。大谷は捕手のサインに首を振り、77マイル(約124キロ)のカーブで空振りを奪った。この日最速99・5マイル(約160キロ)の直球と35キロ以上の緩急差。今までとの大きな違いを物語った。

 「今日はカーブをしっかり使っていくと、相手の映像や反応を見て、マウンドに行く前に決めていた。カーブの状態も良く、しっかり使えたと思います」

 カーブは過去4試合は平均1、2球程度、多くても4球だった。それを初回だけで4球、計11球投じた。マ軍打線が速球系に圧倒的に強いことを事前に学び、大胆にイメチェン。6回まで三塁も踏ませなかった。90球を超えた7回に2ランで失点したが、しっかり試合をつくり、前日連勝が4で止まったチームを再び勢いづけて首位を守った。左足首捻挫で登板は12日ぶり。「影響はなかった。制球もアメリカに来てから一番思った通りに投げられた」と話した。

 野手出場で2安打した4日。憧れのイチローの前でのプレーに力みがあった。自ら「野球教室に来た小学生が張り切って、いいところ見せようという気持ちだった」と形容したほど、巨大な存在に舞い上がり気味だった。投手・大谷は別人。「特に何も。先発なので、どう打者を抑えようかしか考えていなかった」と切り替えた。

 緩急を強く意識した分、直球に近い球速で落とすスプリットの割合は11%と、前回の約3分の1になった。力対力のイメージが強い大リーグだが日本以上に膨大なデータが選手に提供される。「今までは、やってきたものを出せば負けないと思ってやってきた。身体的な部分で勝負してきた。だけど、それでは補えないものがある。たくさんデータがある中で活用しない手はないと思った」。モンスターがしのぎを削る修羅の世界で、日本の怪物が相手にも目を凝らし始め、見えた解で投球に幅を出した。

 イチローが対戦を逃し残念がったと聞き「やる中で勉強になることはたくさんあると思う。そこは過ぎたことなので正直何もないですけど、そう言ってもらえたことはありがたいです」と口にした。ほんの2日前に野球少年に戻っていた大谷は、真のメジャーリーガーを目指す大人の階段をもう上り始めていた。 (後藤 茂樹)

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