こどもの日に コイのぼりセ界最速20勝 大瀬良1097日ぶり完投

[ 2018年5月6日 05:30 ]

セ・リーグ   広島10―1ヤクルト ( 2018年5月5日    神宮 )

<ヤ・広>1失点完投で4勝目を挙げ、会沢(右)とハイタッチする大瀬良
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 広島・大瀬良大地投手(26)が圧巻の投球を演じた。5日のヤクルト戦(神宮)で9回を7安打1失点の力投。チーム一番乗りの完投で今季4勝目を飾った。打っては菊池涼介内野手(28)が5号2ランを含め自身初の1試合5打点。4発、先発野手全員の12安打で2桁10得点を奪って右腕を援護し、20勝リーグ一番乗りを果たした。

 最後の打者・途中出場の古賀を遊ゴロに仕留めると、大瀬良は右手を高く突き上げて達成感をにじませた。今季初の中5日で9回を7安打1失点に抑えた123球。「覚えていない」という15年5月4日の巨人戦以来、1097日ぶりの完投勝利に笑顔がはじけた。

 「完投は簡単にできないのでうれしい。疲れはあったけど、点差が開いていたので最後まで…と思っていた」

 序盤からの大量援護にも気を緩めず、一人一人を丁寧に打ち取った。「ボールが続く感覚がなかった」という通り、最速148キロの直球を軸にストライクを先行させる。失点は山田のソロによる1点のみ。終盤8回、バレンティンを空振り三振に斬った直球に、こだわりと自信が見えた。

 「直球で勝負したかった。(ストライク)ゾーンの中に強いボールを投げ、勝負していこうと思った」

 先発陣の主将を務める今季。畝投手コーチは「独り立ちしてほしいという思いが強いから。彼にとってもいいタイミングだと思う」と任命理由を明かす。昨季、その役を担ったのは野村。先発ローテーションを守り抜き、今季は初の開幕投手に輝くなど、チームを背負う存在となった。

 大瀬良も前任者と同様に、先発陣の柱を担うだけの成長を求められる。今オフは、例年行っていたドジャース・前田との合同自主トレ不参加を決断。「一本立ちしたいので。頼り切りでは上にいけない」。5年目。チーム一番乗りで果たした完投に、独り立ちへの強い意欲が表れていた。

 「いつも中継ぎの人に迷惑をかけているので、たまには…ね」

 堂々の今季4勝目。ヤクルト戦は通算8勝無敗となった。球団投手による同一カード8連勝は、黒田博樹氏が阪神戦(97〜02年)で成し遂げて以来だ。「今日はこどもの日。夢を与えられるような投球ができれば…と」。20勝リーグ一番乗りに貢献した右腕は、自らも慕う偉大な大先輩さながらの夢を与える投球で、敵地のファンを魅了した。(江尾 卓也)

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