大谷 イチローの前で少年に戻った「いいとこ見せたかった」

[ 2018年5月6日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―0マリナーズ ( 2018年5月4日    シアトル )

<マリナーズ・エンゼルス>試合前、イチロー(左)にあいさつに来た大谷だったが逃げられて苦笑い
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 エンゼルス・大谷翔平投手(23)が4日(日本時間5日)のマリナーズ戦に「5番・DH」でメジャー初の4試合連続で先発出場。5回に左越え適時二塁打するなど、2安打1打点で4連勝に貢献した。憧れのマ軍・イチロー会長付特別補佐(44)の前で躍動。イチローも大谷の対応力を絶賛した。大谷は今度は投手として、6日(同7日午前5時10分開始)の同戦に先発する見込みだ。

 テレビ画面越しだった憧れの情景が、大谷の目の前に広がっていた。夢にまで見たセーフコ・フィールドの左打席に踏み入る。2回の第1打席はリークに全くタイミングが合わず空振り三振。「アメリカに来て、一番力んでスイングしていたんじゃないか」。球界の常識を覆してきた二刀流が、人間くささをのぞかせた瞬間だった。

 憧れ続けてきたイチロー。その背番号51の庭だった聖地。「対戦はなくなりましたが、何とかいいところを見せたかった。野球教室に来た小学生が凄く張り切って。そういう気持ちでした」。大谷にとっての「フィールド・オブ・ドリームス」で対応力が目覚めた。

 4回無死一塁。2球連続で空振りと簡単に追い込まれたが、3球目の外角カットボールを逃さず中前打。二進後に、バルブエナの右前打で一気に本塁を狙おうとし、三塁コーチが必死にストップ。次打者の一ゴロ併殺の間に、ホームを全力疾走で滑り抜けた。そして5回だ。2死一塁から4番プホルスが右前打し、メジャー通算3000安打を達成。余韻冷めやらぬ中、直後に左越え適時二塁打し、メモリアル安打を得点に結び付けた。

 試合後、イチローからは対応力を絶賛されたことを聞き「凄く光栄です。僕のことを話してくれるだけで満足でうれしいです」と目を輝かせた。プロ入り後は、当時の日本ハムの打撃コーチで、イチローと親交が深い林孝哉氏(現スカウト)を介して何度も食事へ。キャンプ中にも会っていたが、練習中に改めてあいさつへ。すると察知したイチローが逃げだし、鬼ごっこのように。笑顔で握手を交わした。打って、走って、そして、笑った。

 「ずっと目標に頑張ってきた。憧れる選手に見てもらいたいのは、どの選手もそうではないかなと」。プロ入り後を振り返っても貴重な体験だった。「あまりない。打席で緊張したり、必要な要素以外が出てきたりはしないタイプなので」。デビュー戦でも緊張しなかった23歳にとって、特別な一日となった。

 「持ち味というか、出せるものは出せたかなと。ずっとテレビの中の場所で、(イチローと)同じ左のバッターボックスに立てて。楽しんでプレーできた」。野球少年・大谷の姿があった。 (後藤 茂樹)

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