元西武・四国IL徳島の石井貴監督に会いに…ここでも変わらぬ兄貴分

[ 2018年5月6日 10:30 ]

四国IL・徳島の石井貴監督
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 石井貴監督に会いに徳島に行ってきた。08年日本シリーズでMVPに輝いた元西武投手。今季から四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスの監督を務める。徳島空港から徳島駅を経由して、JRで桑野駅へ。そこから徒歩で30分ほど。ようやく「アグリあなんスタジアム」に到着した。駅からの長い道すがら、なぜかずっと「アグリカルチャー(農業)のアグリ、だろうなあ。きっと…」と考えながら歩いていた。

 「いやあ、なかなか楽しいよ。これも経験ですよ」。石井監督は変わらぬ笑顔だった。現役を引退後、西武の1、2軍で投手コーチを務めた。今回は監督。投手だけでなく、もちろん野手にも目配せしなければいけない。聞けば、コーチは2人だけで打撃担当のコーチがいないとか。「もちろん大変。でも、若い選手と一緒に野球をしてね」。球団は変わっても、変わらぬ良き兄貴分。もちろん、打撃投手もいない。連日、選手を相手に投手役を務めるのも石井監督の大事な仕事だ。

 昨季のチームには、西武にドラフト3位指名された伊藤翔投手がいた。千葉・横芝敬愛から入団し、1年目にして8勝4敗、防御率2・18の成績で年間MVP。帰京後、西武の取材で伊藤に会った際に写真などを見せると「懐かしい!僕もこの球場でよく投げていました」。徳島だけでなく、四国ILの各球団はNPBに一人でも多く選手を輩出することを目指す。第2の伊藤、を育てることも石井監督の仕事だ。

 自分が徳島を訪れた時の対戦相手は、愛媛マンダリンパイレーツだった。巨人や西武、中日でプレーした河原純一監督。懐かしい!巨人担当記者の時はお世話になりました。さらに99年ドラフト1位で日本ハムに入団した正田樹投手。試合にも登板した。地元ファンが陣取るスタンドからは盛大な拍手。「14年の途中に台湾から戻ってきたので、もう愛媛で5年目ですよ」。笑顔が優しい。36歳の左腕はまだまだ健在だ。

 いわゆるNPBがプロ野球のトップにあり、社会人に大学、高校、そして独立リーグ。小中学生の野球人口の低下が叫ばれて久しいが、それでも日本はどこに行っても野球がある。日本は、野球の国だ。遠く徳島、アグリあなんスタジアムのスタンドから選手たちのプレーを眺めながら、そう思った。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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