古豪・興国 昨春の選抜準V履正社下す!中田が公式戦初完投初完封

[ 2018年5月4日 15:26 ]

春季大阪大会4回戦   興国4―0履正社 ( 2018年5月4日    シティ信金スタ )

履正社を5安打完封した興国・中田健太投手
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 1968年夏の甲子園で優勝した古豪・興国が、春季大阪大会4回戦で履正社に4―0で快勝。今春から背番号1をつける中田健太投手(3年)が公式戦初完投初完封を飾り、昨春の選抜準優勝校を退けた。

 ついに、大阪2強の一角を下した。興国のエース右腕・中田が5安打完封。古豪復活をかける夏に向け、これ以上ない弾みをつけた。

 「最高です。絶対に打たせないつもりで投げました。きょうはストレートが良かったと思う。(相手打線は)オーラがありました。良いイメージを持って、次につなげたい」

 自己最速は133キロながら、徹底的にボールを低めに集めた。初回1死二塁、3回2死二、三塁をしのぐと、中盤の3イニングは全て3者凡退。カーブ、スライダー、ナックル、ツーシームなど多彩な変化球で両コーナーをつき、スコアボードに0を並べた。7回以降の3イニングはいずれも得点圏に走者を背負ったが、粘りの投球を披露。9回2死二塁も谷川をニゴロに封じ、初完封を決めた。

 リベンジを果たした。背番号11だった昨秋の大阪大会準決勝・履正社戦では、リリーフとして登板。だが、強力打線の勢いを止められず、4失点を喫した。

 「どこに投げても打たれるイメージだった」。冬場は多い時には300球の投げ込みを敢行。インターバル走をはじめとするメニューで、徹底的に下半身を鍛え上げた。体が開き気味だったこともあり、2月には元阪神でスーパーバイザーを務める清原大貴氏の勧めで投球フォームを変更。ヤクルト・由規を参考にして、下半身主導である今の形に行き着いた。

 中田の好投に導かれるように、0―0で迎えた6回に打線がつながった。1死満塁から橋本星哉捕手(3年)の押し出し死球で先制。なおも2死満塁から関大生外野手(3年)、柿谷裕哉内野手(3年)の連続タイムリーで4点を奪い、勝負を決めた。

 15年秋の就任後、チームを再建してきた田中英樹監督は言う。「守りからリズムをつくってワンチャンスを生かしてくれた。会心のゲーム。こういう野球をやりたかった。中田がよく投げてくれた。最後は中田の交代も考えましたが“行きます”とのことだったので、任せました。バッテリーがよく頑張りました」。課題の一つであった投手力が整備されつつある現状に、大きく頷いた。

 バックアップを惜しまない草島葉子理事長兼校長はスタンドで観戦し、声援を送り続けた。「履正社は大きな、大きな山で、エベレストのような存在。きょうの試合は野球部にとって、大きな試合になったと思います。選手たちは一つ一つのプレーに気持ちが入っていました」。学校関係者はもちろん、高校野球のオールドファンも待望する興国の復活劇。1975年夏以来となる聖地へ、着実に前進している。

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