松坂4241日ぶり1勝!復活6回1失点“新怪物伝説”幕開け

[ 2018年5月1日 05:30 ]

セ・リーグ   中日3―1DeNA ( 2018年4月30日    ナゴヤD )

日本球界復帰後初勝利を挙げた松坂は、お立ち台で満面の笑顔を見せた
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 中日の松坂大輔投手(37)が30日のDeNA戦で6回を3安打1失点に抑え、今季3度目の登板で初勝利を飾った。日本球界での白星は、西武時代の06年9月19日のソフトバンク戦以来4241日ぶりだ。メジャーから戻った15年以降は右肩の故障に苦しみ、3年間で1軍登板は1試合。ソフトバンクを退団し、テスト入団した新天地で復活を告げた。

 松坂はナゴヤドームに集まった今季最多3万6606人に3度、お辞儀をした。「99」をつける背中をピンチで「頑張れ」と押してくれた。この白星は自分のものだけじゃない。感謝を伝えたかった。

 「ピンチの場面での応援が僕に最後の力を与えてくれました」

 お立ち台で続けた。「年が近い人は分かると思うが、小さい子は分からない。もっとヒーローインタビューやテレビに出て、また顔を覚えてもらえるよう頑張る」。12年ぶりの日本球界での勝利。百戦錬磨の右腕でも「喜びを爆発させるのはどうかと思ったが、あまりにも間が空きすぎて(感情を)抑えられなかった」と言った。

 3回の戸柱の遊直は、15年の右肩手術後最速となる147キロでバットを折った。一方、3安打と荒れ球の8四死球で毎回走者を背負った。ただ、失点は5回2死満塁での宮崎への押し出し四球のみ。この場面も、前の2打席で2安打されていたため「甘くいって長打を打たれるよりは最悪、押し出しでいい」と割り切った。続く梶谷を一ゴロに仕留め最少失点で切り抜けた。

 豊富な球種を内外角に出し入れするだけではない。制球がつかなかったフォークボールを「スプリットチェンジ」に変更した。レッドソックス時代に投手コーチだったジョン・ファレル氏に教わった球種。人さし指と親指で円をつくり、残り3本の指で滑らせるように投げる「サークルチェンジ」の改良型で縦に落ちる。「チェンジアップのサインが出た時に投げ分けている」と2回1死一、二塁では、宮本をその球で中飛に仕留めた。一つの球種でも異なる軌道を描く。走者なしで被打率・290だが、走者を置くと同・171。満塁では・000と窮地で自らを助ける。

 一日のルーティンは「挙げればキリがない」。起床時に布団をめくるのは決まって右腕で、肩の状態を確認する。キャッチボールでは、12オンス(約340グラム)と統一球の倍以上の重さのウエーテッドボールを使い、ゆっくり肩を回す。繊細な取り組みでブランクを埋めてきた。時間の許す限りメジャーリーグ中継も見た。「僕は実戦から離れていましたからね」。洞察力を鈍らせない努力を重ねた。

 試合後に東京に移動した松坂は、ボストンにいる倫世夫人(43)と3人の子供に電話を入れた。

 「物に対して執着心があまりないが、今日のウイニングボールは特別な物になりました。大切にしたい」

 チームは連敗を4で止め、最下位脱出となった。平成の怪物と呼ばれ「松坂世代」の言葉も生まれた。だが、伝説となるにはまだ早い。次戦は11日からの巨人3連戦(東京ドーム)。止まっていた時計の針は動きだした。 (徳原 麗奈)

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