坂本勇「調べちゃった」29歳4カ月300二塁打で榎本喜八に並ぶ

[ 2018年4月26日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人20―4中日 ( 2018年4月25日    前橋 )

<巨・中>初回無死、坂本勇が左翼へ通算300本目となる二塁打を放つ
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 前橋で記録的猛打だ。巨人は25日、中日を相手に17安打20得点で大勝。今季最多の5連勝で勝率を5割に戻した。坂本勇人内野手(29)が初回に球団史上6人目の300二塁打を達成して先制点につなげると、5回には今季初本塁打となる中越え3ランで一挙8得点のビッグイニングを演出。20得点を記録するのは、25得点を記録した1955年6月22日広島戦以来63年ぶりとなった。

 1番・坂本勇の記録で幕を開けた。初回先頭。「気になって調べた」という大打者に並び、チームの記録的猛打が始まった。大野雄の直球を左翼線に引っ張る二塁打。球団史上6人目の300二塁打がアナウンスされ、前橋のファンにとっても記念の夜になった。

 29歳4カ月での到達は史上最年少タイのスピード記録。「意識はない」と言ったが、5日前にその「早さ」を知り、自身も驚いていた。前カードの阪神戦前、関係者から聞き「自分が一番早いんですか?立浪さんの方がもっと早いんじゃない?」と思い込んでいた。通算二塁打の最多記録487本を持つ立浪和義(中日)でさえ、30歳7カ月の時だった。

 最も早かったのは「新聞で読んで調べちゃった」という榎本喜八(東京)。自身が昨年、右打者では史上最年少の通算1500安打をした際に、2000安打の年少記録を持つ同打者の名前を知った。その偉人に300二塁打のスピード到達で並んだ。普段から「数字には興味がない」と話すが、つなぐ野球の中で「二塁打は一番いいと思う」と大切にしている。

 初回に坂本勇の二塁打から、1点を先制。一挙8点を奪った5回は、無死一、二塁からバックスクリーン左へ運ぶ1号3ランを放った。今季22試合目、103打席目での“お待たせ弾”に「早く打ちたいと思っていたので良かった」と笑顔。チームは20得点で今季初の5連勝。20点以上は王貞治と長嶋茂雄の「ON」が入団する以前の55年以来、63年ぶりで「ね!凄いことですよね」と声も弾んだ。

 一時は5に膨れ上がった借金を完済し、7日以来の勝率5割に戻した。高橋監督は「本当にいい攻撃ができた。(各自が)いい一打席にしていた」と称えた。主将は「いい流れなので継続できるように頑張ります」と言った。5回終了時の打ち上げ花火に勝る打線をけん引した。 (神田 佑)

 ▼広岡達朗氏(63年前の25得点試合に6番・遊撃で出場して4安打4打点)当時、私は入団2年目。懐かしいですね。そうそうたるメンバーで、本当に強いチームだった。私自身は入ったばかりで余裕もなく、とにかく無我夢中で一生懸命。川上さんや別所さんに(守備で)「へたくそ」と言われ続けていた頃で勉強の日々でした。

 《巨人の1試合最多得点は26点》巨人は17安打で20点の猛攻。巨人の1試合最多得点は46年8月31日中部日本戦、48年10月16日大陽戦で挙げた26点だが、20点以上は55年6月22日広島戦の25点以来63年ぶり10度目になる。これで今季巨人の2桁得点試合は両リーグ最多の4度目。昨年巨人が記録した回数に早くも並んだ。チームで4月までに2桁試合を4度は14年以来。球団最多は49、50、04年の5度。巨人は今月3試合を残しているがどうか。

 《66年榎本喜八(東京)に並ぶ》坂本勇(巨)が1回に大野雄から二塁打を放ち通算300二塁打を達成した。プロ野球70人目。初二塁打は08年4月1日の中日戦で中田から。巨人では14年阿部に次いで6人目。29歳4カ月での達成は66年榎本喜八(東京)に並ぶ最年少記録。

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