衣笠氏、監督もコーチもしない「理由」 ぎりぎりの本音に感謝

[ 2018年4月25日 08:10 ]

“鉄人”衣笠祥雄さん死去

2013年3月のWBC準決勝翌日、オパスワンのワイナリーにて
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 【スポニチ本紙記者が語る衣笠さんの素顔】 お疲れさまの乾杯ができないまま訃報に接することになった。2014年8月、スポニチに掲載していただいた「我が道」の構成を担当させてもらった。

 「9月に入ったら打ち上げをやりましょうね」

 脱稿後、こう話してから衣笠さんと連絡が取れなくなった。TBSの野球解説もキャンセル。どうやらがんで入院されているらしい。明けて15年1月、いただいた手紙には「8月26日からお酒、タバコと全く縁のない病院生活を余儀なくされて参りました」とあった。

 開幕すると野球解説の仕事を再開。球場で会うと「もう少し待ってね。そのうち必ず」と打ち上げの約束を覚えていてくれた。骨折しても試合に出続けた鉄人。必ず病魔に打ち勝つと思っていた。

 13年3月、WBC準決勝で日本がプエルトリコに敗れた翌日、カリフォルニア州ナパにあるオーパス・ワンのワイナリーにご一緒させていただいた。そんなご縁もあって「我が道」に「引退後、監督もコーチもしなかった理由」を書いてもらえるようお願いした。その答えは――。

 「いったん現場を離れて世の中に出ると、いろんな人間関係がある。世渡りのうまい人がいれば、得意じゃない人もいる。ユニホームうんぬんは自分がしゃかりきになってどうこうできる問題じゃない」

 活字にできるぎりぎりの本音だった。ありがとうございました。もう乾杯はできませんが、今夜はワインで献杯します。(永瀬郷太郎・特別編集委員)

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