興国 4番・西嶋、弾丸ライナーで公式戦1号 指揮官も絶賛「完璧でした」

[ 2018年4月22日 14:59 ]

春季高校野球大阪大会2回戦   興国13―3茨木工科 ( 2018年4月22日    興国高グラウンド )

春季大阪大会2回戦、茨木工科戦で決勝2ランを放った興国・西嶋元輝外野手
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 4番の名に恥じない、正真正銘の弾丸ライナーだった。2―2に追いついた直後の3回1死一塁。興国・西嶋元輝外野手(3年)が1ボールからの、やや内寄りのストレートを完璧にとらえた。凄まじい勢いに、左翼手は一歩も動けない。勝ち越しとなる決勝2ランは、高校通算14本目での記念すべき公式戦1号となった。

 「チームが勢いに乗りつつあったので、右中間に長打を打つイメージでした。感触は良かったです」

 0―2の初回2死三塁では左前タイムリー。12―3の5回無死二塁からは、コールド勝ちを決める左前適時打を放った。第3打席の死球を挟み3安打4打点。主軸の役割をきっちりと果たした。

 「詰まってセンターに打つイメージで振るようになってから、本塁打が出るようになってきたと思います」

 春の訪れとともに、覚醒の時を迎えた。14日の練習試合・金光大阪戦。昨夏の大阪大会3回戦で関大北陽を2失点完投した好右腕・河合からの2発を含む3本塁打を一気に量産した。昨春の大阪大会で4戦連発の5本塁打を放った右の長距離砲・中野翔哉(大商大)に連なる系譜。下級生時からその素質に期待してきた田中英樹監督も、急激な成長ぶりに目を細めた。

 「3回のホームランは完璧でした。ここに来て、コツをつかんでくれた。彼は打線の核になってもらわないといけない選手ですから」

 指揮官との二人三脚で厳しい冬を過ごした。オフシーズンの一日のノルマは1200〜1500スイング。握力を強化すべく従来より太いグリップの竹製バットを特注し、振り込んだ。インサイドアウトのスイング軌道を完全習得するべく、内角ギリギリを狙ってのものや、真下からボールを上げるなど様々な種類のティー打撃を実施。田中監督は「自分の体と打つべきボールとの距離感をつかんでくれた」と鍛錬による成果を口にした。

 昨秋は39年ぶりに大阪大会の4強に進出しながら、準決勝で履正社に7回コールド負け。3位決定戦は近大付に逆転負けし、近畿大会出場を逃した。かつては「私学7強」の一角を占めた伝統校。75年以来43年ぶりの聖地へ向け、西嶋は強い思いを口にした。

 「大石投手(近大付)、立石投手(大体大浪商)らの良い投手を打てないと甲子園には行けない。まずは南大阪大会を勝って、甲子園で勝てるチームになりたいです」

 チーム一丸となって迎える南大阪大会。思えば全国制覇を成し遂げた1968年夏は、50回大会だった。あれから50年。真の古豪復活は、高校野球の大きな節目となる今夏の100回大会こそふさわしい。

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