DeNA筒香 キング&再奪首弾 勝負強すぎ5本中4本殊勲アーチ

[ 2018年4月22日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA6―5ヤクルト ( 2018年4月21日    神宮 )

<ヤ・D>延長10回1死、右越えソロを放った筒香(右)はロペスに迎えられる
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 チームの思いをバットに込めた。延長10回1死。1ストライクからDeNAの筒香が秋吉の内角のスライダーを捉えた。両腕を絞るように内からバットを出した。その瞬間に「ホームランだなと思った」という打球は弧を描いて右翼席に飛び込んだ。リーグトップタイの5号ソロは、劇的な決勝弾となった。

 「全員で勝ち取った試合です」。ヒーローインタビューでも笑顔はない。16日以来、5日ぶりの首位再浮上。主砲は「チーム全員」と何度も繰り返した。本塁打の場面も「後ろにロペスと宮崎さんがいたので、塁に出ることを考えた」と振り返った。その言葉が今年のDeNAの強さを象徴している。

 筒香には忘れ物がある。昨秋の日本シリーズ。リーグ3位からCSを勝ち抜き、初めての大舞台に立ったが、パ・リーグを制したソフトバンクの壁は厚かった。筒香は「日本シリーズに出ることはできたが、チームとしても個人としても課題が明確になった」と、勢いだけでは頂点に届かない現実を味わった。

 1点を全員で奪い、全員で守り抜く。チームが目指す戦い方を筒香が体現する。1点差の3回は大和の犠打で1死三塁とし筒香の左犠飛で同点に追いついた。再び1点を追う展開となった6回の守備では2死一塁で中村の大飛球を左翼フェンスに体を当て好捕。追加点を阻止した。

 今季初めて筒香、ロペス、宮崎のクリーンアップのアーチ競演。派手に見えるが、ラミレス監督は「いい野球をしている。これを続けたい」と1点ずつを積み上げた戦いを評価した。

 5本塁打中4本が殊勲打と勝負強さを発揮する筒香は「今日は終わり。明日も試合がある」と前しか見ていない。本当に笑うのは98年以来となる日本一を手に入れた時と決めている。 (君島 圭介)

 《殊勲弾4本は両リーグ最多》筒香(D)が延長10回決勝の5号。延長戦本塁打は16年6月4日ロッテ戦の10回、同年7月22日巨人戦の12回にいずれもサヨナラ本塁打を放って以来3本目。敵地での延長決勝アーチは初めてだ。今季5本のうち、先制3本、勝ち越し1本と4本までが殊勲本塁打。殊勲弾4本は両リーグを通じ筒香が最も多い。また、本塁打王争いでは丸(広)と並びリーグトップタイ。チーム17試合目での5号は16年の15試合目に次ぐ2番目のスピード。昨年の5号は55試合目だから今季はそれより38試合も早い。

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