改めて考える 大谷の凄さとは…恵まれた体格と環境+ストイックな努力

[ 2018年4月19日 10:20 ]

恵まれた体格を生かし、メジャーで鮮烈デビューを飾ったエンゼルスの大谷
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 もっと身長が高ければ、もっと速い球が投げられたのに…。中学生のときは、少しでも大きくなりたくて毎日、牛乳を2リットルぐらいは飲んでいた。そんな経験がある人も多いだろう。

 エンゼルスの大谷は、1メートル91と日本人としては「超」がつくほど大きな体を、両親から与えてもらった。以前、大谷の母・加代子さんが言っていた。「“どうやったらそんなに体が大きくなるんですか”とよく聞かれるんですけれど、本当に遺伝なんです。親戚にも190センチがいるので…」。申し訳なさそうに笑っていた。

 ただ、体が大きければいいというわけではない。小柄な選手よりも体重は当然重くなるし、同時に長い手足を上手に動かすのはとても難しい。日本ハム・木田優夫GM補佐から聞いたことがある。巨人、オリックス、ヤクルト、日本ハム、メジャーで活躍した現役時代は、1メートル88の長身から最速156キロの剛速球を投げ込んでいたが、高校の頃は「体が大きいのに1メートル75ぐらいのやつと同じ動きができる」と評価されていたそうだ。1メートル90を超える選手のダイナミックさを持ちながら、小柄で俊敏な選手と同じ動きもできる。大谷の凄さはそんなところにもあるのだろう。

 大谷が子どもの頃、野球以外にも水泳をやっていたことは有名だ。バドミントンで全国トップレベルだった母と一緒に、幼少期からバドミントンで遊んでいたという話も聞いたことがある。バドミントンのスイングと野球のスローイングが似ているとよく言われる。同時に社会人野球で本格的にプレーしていた父・徹さんによって、技術的にも正しい方向に導かれたのだろう。

 プロ野球選手になる若者の多くは周囲よりも練習熱心だが、大谷のストイックさはその中でも突出している。天性の才能と恵まれた環境。そして何よりも大谷自身が、野球に対して努力を惜しまない性格だから、メジャーでの歴史的な活躍を今見られている。(記者コラム・横市 勇)

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2018年4月19日のニュース