広島・岡田、連敗止めた!“悪夢の一戦”のリベンジ成功

[ 2018年4月13日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―1阪神 ( 2018年4月12日    甲子園 )

勝利投手となり、カープファンの声援に応える岡田
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 広島・岡田明丈投手(24)が負の連鎖を止めた。先発陣の自滅が目立つ中、12日の阪神戦(甲子園)で6回を1安打1失点の力投。最速152キロの直球に多彩な変化球を交え、堂々の今季2勝目を飾った。打っては、安部が3安打2打点の活躍で右腕を援護。チームの連敗は4でストップし、わずか1日で首位奪還に成功した。

 制球難から9点差を逆転された昨年5月6日、悪夢の一戦以来341日ぶりの甲子園。あの日の嫌なイメージを、自らの投球で拭い去った。わずか1日で首位奪還に導く6回1安打1失点の力投。今季2勝目に岡田は充実感をにじませた。

 「立ち上がりは良くなかったけど、後半修正できたのは大きい。ランナーを出してからの方が、いい感覚で投げられました」

 1回、先頭の高山に四球。続く鳥谷の投ゴロをはじき(失策)、糸井には右前に運ばれた。絶体絶命の無死満塁。だが、岡田は踏ん張る。ロサリオの犠飛の後、福留を148キロの直球で注文通りの遊ゴロ併殺。最少失点に抑え、右腕は乗った。

 「2、3回ぐらいから良くなった。しっかり腕が振れるタイミングで投げられた」

 圧巻は4回だ。ロサリオを123キロの外角スライダーで空振り、福留は151キロ内角直球で空振り、大山には150キロの真ん中低め直球を見逃しで、3者連続三振。最速152キロを計測した直球と変化球のコンビネーションがさえ渡り、虎打線から快音を奪った。

 3月29日、由宇でのウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦が分岐点だ。開幕前、最後の調整登板で5回を11安打7失点と大崩れ。課題の制球面は改善され、無四球だったものの、簡単に痛打を浴びてしまう。原因は分かっていた。

 「上体がどうしても早く正面を向いてしまうんです…」

 制球を重視し過ぎると体が早く開き、打者には投球が見えやすくなる。かといって、力任せになると制球難が顔を出す。「オフに取り組んできたことを出すしかない」。原点に立ち返り、柔と剛のほど良い“着地点”を開幕から2試合連続で披露した。進化だった。

 「よく立ち直ってくれた。立ち上がりは不安定だったけど、序盤以降はテンポ、リズムも良かった」。緒方監督は岡田を称え、次戦は中5日で18日のヤクルト戦に向かわせる可能性に言及した。

 「自分は、自分の仕事をするだけです」

 先発陣自滅の流れとチームの連敗を4で止めた価値ある力投。24歳がまぶしく輝いた。 (江尾 卓也)

 ★岡田の前回阪神戦 17年5月6日の甲子園で先発。打線が5回まで14安打の猛攻で9点の援護に自身も4回までは1安打無失点の好投。しかし5回の1失点後、6回に突然ペースを崩し、イニング途中4安打7失点で自滅降板した。継投陣も負の連鎖は止まらず、チームは22年ぶりの9点差逆転負けを喫した。

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2018年4月13日のニュース