DeNA 宝刀スプリット狙い打ちで上原攻略 5安打中4本捉えた

[ 2018年4月11日 08:40 ]

セ・リーグ   DeNA4―3巨人 ( 2018年4月10日    東京D )

<巨・D>8回1死満塁、上原から2点二塁打を放つDeNA・嶺井
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 DeNAが巨人との今季初戦を制し、3連勝を飾った。1―2と逆転を許した直後の8回、上原浩治投手(43)から5安打で3点を奪って再逆転。開幕4試合連続ホールドで被安打0だったメジャー帰りの右腕を打ち砕いた。逆転勝ちは今季初。最後は山崎康晃投手(25)が通算100セーブ目で締めた。

 巨人の投手交代で「上原」がコールされると東京ドームは異様な盛り上がりをみせた。8回、勝利を決めに入った相手の継投策だ。「素晴らしい選手が日本に帰ってきて、ああいう形で(ファンに)迎えられたが、それに惑わされることなく集中力を持ってやってくれた」とラミレス監督。打線が牙をむいた。日米で活躍した大ベテランに襲いかかった。

 先頭の大和が、甘く入ったスプリットを左前に運んだ。筒香は二飛に倒れるも、4番・ロペスの中前打で一、二塁。宮崎も中前に運んで同点に追いついた。押せ押せだ。今季初スタメンの乙坂の中前打で満塁とし、嶺井が左中間を破る勝ち越しの2点適時打。この回の5安打のうち4本がスプリットを捉えたもので、3点を奪って上原をKOした。

 日本球界に復帰した上原は、試合前の時点で4試合で無安打無失点。08年に巨人で同僚だったラミレス監督は「日本で一番良い投手と言っても過言ではない」と警戒していた。巨人ドラフト1位入団は98年。9年目の筒香ですら、09年からメジャー入りした上原との対戦経験はなかった。

 メジャー好きの乙坂は「テンションが上がった」と興奮しながらも、打席に入る前に球の軌道を確認。「前の打者に結構投げていた」というスプリットを狙い打ちした。元巨人ファンで、エース上原をテレビで見ていた嶺井も「追い込まれる前に打とうと思っていた」と、甘いスプリットを見逃さなかった。

 ラミレス監督の選手起用も的中した。基本は捕手が6番に座る打線だが、この日は嶺井を7番に置き、乙坂を6番で起用した。相手先発の山口俊は右投手で、指揮官は「嶺井は左投手に強いので、相手先発が左なら6番もある」と説明。打撃不振の桑原の代役で新人の神里を抜てきするなど、柔軟な采配が、逆転勝ちを呼び込んだ。

 巨人とは昨季3位争いを展開。上のレベル、優勝争いを期する今季は開幕から2カード連続で負け越したが、これで3連勝だ。「良い流れが来ている」と嶺井。スタートダッシュはまだ間に合う。 (重光 晋太郎)

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