ロッテ田村 延長V撃のち居残り“特バン” 2度失敗「分かってます」

[ 2018年4月9日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5―2日本ハム ( 2018年4月8日    東京D )

<日・ロ>延長11回2死満塁、田村は走者一掃の決勝打を放つ
Photo By スポニチ

 勝利を呼んだヒーローに、特打ならぬ「特バン」が待っていた。ロッテ・田村が延長11回、2死満塁で決勝の2点中前打。試合後、勝利に沸くベンチ裏で清水バッテリーコーチの指令が飛ぶ。

 「特バンや!」

 「分かってます」。約30分の居残りバント練習。「言われんでもやらないといけないと思ってたんで」と黙々とボールを転がした。

 「打てなかったら(みんなに)一生恨まれる。やばいでしょ。絶対に勝ちたかった」。3回無死二塁、10回無死一塁で送りバントに失敗。汚名返上に燃えていた。過去の満塁機は通算で打率・333、37打点を誇る満塁男。加えて日本ハム・井口がスライダーを多投していたことを読み切り「頭にあった。しっかり反応できた」とスライダーを仕留めた。「悔しさは本人が一番分かっている。(ミスを)帳消しにしてくれた」と井口監督。野手14人、投手7人をつぎ込んだ総力戦。7回2死満塁で左腕・松永が右の中田を迎えた場面では就任後初めて自らマウンドに足を運び「しっかり抑えてくれ」と激励した。そんな指揮官の強い思いに、田村らナインが応えた。

 日本ハムの連勝を5で止め、貯金1で2位タイに浮上。10日から開幕8連勝の首位・西武とぶつかる。「(相手の)連勝を止めて来週も戦えるのは大きいね」。次は獅子を止める。井口監督の顔にはそう書いてあった。 (鈴木 勝巳)

続きを表示

この記事のフォト

2018年4月9日のニュース