筒香 31打席目待望1号から連発 まるで昨季CSファイナルVTR

[ 2018年4月9日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA5―3広島 ( 2018年4月8日    マツダ )

<広・D>6回無死一塁、筒香は右越えに1号先制2ランを放ち、カープファンを静まりかえらせる
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 出た1号、さらに2号!DeNAの筒香嘉智外野手(26)は8日の広島戦で6回に先制の右越え1号2ランを放った。今季8試合、31打席目で待望の一発が飛び出すと、7回にも中越えにダメ押しの2号3ラン。2打席連発の全5打点で、チームを今季初の連勝&カード勝ち越しに導いた。猛打賞も今季初めて。主砲がついに本領を発揮した。

 再現VTRを見ているようだった。2打席連発。筒香は昨年10月24日に日本シリーズ進出を決めたCSファイナルステージ第5戦でも2打席連発でリーグ覇者を撃破した。あの時と同じように真っ赤に染まるマツダスタジアムを黙らせた。

 「調子のいいカープですし、何としても勝ち越して帰るつもりだった。投手も頑張っていたし、野手も点を取ろうと必死だった。打てて良かったです」

 0―0の6回無死一塁。大瀬良の内角直球を引っ張り、右翼席に運んだ。今季初アーチとなる先制2ラン。昨季はWBC出場もあって万全な状態で開幕を迎えられず、1号は22試合目だった。今季は8試合目。待望の一発で力投する19歳右腕の京山を援護射撃した。

 これで終わらないのが侍ジャパンの4番だ。7回にも1死二、三塁で打席が回り、今度は九里の低めに沈むツーシームを豪快にすくい上げた。バックスクリーンへ、試合を決める2号3ラン。全5打点を叩き出した。

 進化のための変化を恐れない。春季キャンプから膝を曲げずに直立する打撃フォームに変えた。オープン戦では膝を落とす構えに変化。広島入りしてからも、スタンスを多少オープンにするなど微調整を続けた。それは「勝つため」と筒香。ラミレス監督も「今のフォームが一番いい。進化を感じるし、今年は40本塁打以上打ってくれる」と期待した。

 道具に対する姿勢も同じだ。開幕直前まで数種類のバットを試し、契約するミズノ社のバット職人、名和民夫クラフトマン(51)に相談。重量を少し増やすなど、昨季のものに微調整を加えた。その試行錯誤がようやく結果に結びついた。

 2年連続で3位に入り、今季は20年ぶりのリーグ制覇を狙う。3月30日の開幕戦。主将はミーティングに2枚の用紙を持ち込み、チームメートに語りかけた。「強い気持ちで戦えば必ず1位になれる。1位の風景は分からないが、そこに価値がある。全員で必死こいて頑張ろう」。その言葉を体現した2打席連発で、今季初の連勝とカード勝ち越しを決めた。「勝てたのが一番」と筒香。広島の3連覇を阻み、今季こそ美酒を味わう。(中村 文香)

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