王者・広島“余裕の1敗” 緒方監督「全然問題ない」

[ 2018年4月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2―4 ( 2018年4月7日    マツダ )

7回1死、西川は左前適時打を放ち、雄たけびをあげる
Photo By スポニチ

 広島は7日、DeNA(マツダ)に2―4で敗れ、開幕から続いた5得点以上は7試合で止まり、85年の南海に並ぶ8試合連続のプロ野球記録には届かなかった。それでも、7回に代打・西川が左前適時打を放つなど反攻の2点をあげて、明日への光明はみせた。DeNA・先発のバリオス攻略は次回へ持ち越しとなったが、単独首位は変わらず、緒方監督も「全然問題ない」とし、“余裕の1敗”となった。

 2得点で敗戦。プロ野球記録に並ぶ、開幕から8試合連続での5得点以上は夢と散った。それでも、赤ヘル打線は、ただでは終わらなかった。

 DeNA先発・バリオスに手を焼き、6回までは3安打無得点。反攻は7回から始まった。先頭・松山の左前打を契機に1死一、三塁とし、バリオスを降板させることに成功。この好機に代打・西川が応えた。3ボール2ストライクから2番手・エスコバーの外角直球を、鮮やかに三遊間を抜く適時打とした。

 「何とか当てられればと思っていた。ああいう球をファウルにしていたので、これからも捉えられるようにしたい」

 開幕から出場機会に恵まれず、ここまで5打数1安打と打率・200。ただ前回の5日ヤクルト戦(神宮)での打席も、代打で右翼線への二塁打を放つなど、代打で本領を見せ始めている。昨季の代打での打率は・341。得意とする“1打席勝負”で調子を取り戻し、東出打撃コーチも「打席に立つと状態が上がっていくタイプだからね」と評した。

 一方で、バリオス攻略への課題を残したのも事実だ。この日、唯一の複数安打を放った松山でさえ「腕の振りが変わらないからツーシームとかチェンジアップの見極めが難しかった」と手こずった。それでも緒方監督は言う。「攻撃も粘り強くチャンスをたくさんつくっているし、全く問題ない」。無得点だったとはいえ、6回までに得点圏に走者を進めたのは計4度。打撃陣を責めることは一切なかった。

 敗戦直後には他の選手が帰途に就く中、安部が怒りを押し殺して、居残りで打撃練習を行った。2点差に迫った8回1死満塁で初球を三飛。ふがいなさからか、報道陣の問いかけにも珍しく無言で通り過ぎた。たった1敗といえども、この悔しさを翌日に晴らす準備は済ませた。

 マツダでの開幕からの連勝は4で止まったが、緒方監督は「また切り替えてやるだけ」と前を向いた。赤ヘルには、敗戦の中にも明るい兆しがある。 (河合 洋介)

続きを表示

2018年4月8日のニュース