松坂 5回3失点黒星も手応え96球 森監督「次につながる」

[ 2018年4月6日 07:23 ]

セ・リーグ   中日2―3巨人 ( 2018年4月5日    ナゴヤD )

<中・巨>松坂(中央)はナインより一礼多くファンに頭を下げる
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 中日・松坂大輔投手(37)が5日の巨人戦に先発し、5回を8安打3失点で今季初黒星を喫した。国内のレギュラーシーズンで先発したのは、西武時代の06年9月26日ロッテ戦以来4209日ぶり。昨季限りでソフトバンクを自由契約になった右腕は、粘りの96球に復活の可能性も示した。6日に出場選手登録を抹消され、次の機会を待つ。

 もがき、苦しみ、渇望した1軍の先発マウンド。松坂に満足感や充実感などなかった。毎回の8安打を許しながらも5回3失点。だが、チームを勝利に導く投球ができなかった現実を受け止めた。

 「最初は今日のマウンドに立つことを目標にやってきました。でも立つことが決まった時点で、チームの勝ちにつなげられることしか考えてなかった。だから特別な感情はなかった。勝ちにつなげられなかったことの悔しさしかない」

 今季最多の3万4396人観衆の視線を受けた松坂は、プレートの後方から捕手に目線をやってからマウンドに登った。鮮烈デビューを飾った99年4月7日の日本ハム戦(東京ドーム)と同じだ。だが、当時の剛球はもうない。最速142キロだが緩急と内外角、高低を使って粘った。

 初回、先頭・立岡の打ち取った当たりが内野安打となり、1死一、三塁からゲレーロの左前打で先制を許した。同点の3回には吉川尚、坂本勇の飛球が続けてポテンヒット。無死満塁からマギーの遊ゴロ併殺の間に勝ち越し点を与えた。さらに岡本の遊ゴロを京田が悪送球と不運も重なった。「もう少しうまく抑えて長いイニングを投げたかった」と球数の多さを反省したが、巨人打線から5三振を奪うなど手応えも見せた。1軍は結果が全て。その舞台に帰ってきたのだ。

 ホテル暮らしが続いている。そんな時に森監督が「大輔、おまえ何やってるんだ?」と声を掛けてくれ、何度も食事に誘ってくれた。松坂もナインを積極的に食事に誘った。「自分のためだけじゃない。何とか拾ってくれた中日に恩返ししたい」と語る。

 1日のルーティンは「挙げればキリがない」という。朝起きる時の布団をめくるのは、決まって右腕だ。治療法も一つではない。信頼のない人に体を触らせることを嫌がる選手が多い時代だが「ハリもやりますし、体を整えるやり方も一つではないですから」と常に可能性を探ってきた。森監督は「次につながるものはある」とした上で、右肩の負担を考慮し「明日(出場選手登録を)抹消します」とローテーションから一度外すことを明かした。

 「いつになるか分かりませんが、次の登板につなげたい」

 96球。復活への手応えは心にしまい、次を見据えた。 (徳原 麗奈)

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