プロが嫉妬する大谷の底力

[ 2018年4月4日 16:39 ]

<エンゼルス・インディアンス>1回2死二、三塁、右中間3ランを放つ大谷
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 【伊藤幸男の一期一会】エンゼルスの大谷翔平投手がメジャーでも「二刀流」として通用する実力を見せつけた。3日(現地時間)のインディアンス戦、本拠地初打席で3ラン。オープン戦中は投打の不振から懐疑的だった現地マスコミも認めざるを得ないだろう。日本ハム時代から見守ってきた私にとって溜飲が下がる思いだ。

 プロ野球初の2ケタ勝利&2ケタ本塁打を記録した14年、投手&指名打者でベストナインに輝き、10年ぶりのチーム日本一に貢献した16年。印象的なシーンは尽きないが、個人的には試合前のフリー打撃を見るのが何より楽しかった。両翼100メートル、中堅122メートルと広い札幌ドームのスタンドにポンポンと放り込む衝撃は、巨人時代の松井秀喜外野手のフリー打撃と重なった。

 大谷が右足首痛でWBC侍ジャパン入りを辞退したのが17年1月末。その1カ月後の3月4日、日本ハム―巨人とのオープン戦(札幌ドーム)での出来事も忘れられない。

 大谷と並んでフリー打撃を行ったのは15年に巨人からトレードで移籍してきた矢野謙次外野手だった。本来なら中田かレアードの長距離砲が隣で打つはずが、2人ともWBCに出場したため巡ってきた「代役」である。

 ところが大谷が次々スタンドインするのを尻目に、矢野はファウルチップの連発。飛ばそうと力めば力むほどフェアゾーンに行かない。怪物のフリー打撃に興味津々だった巨人ナインは最初こそ元同僚を冷やかしていたが、その声も消えていった。「代打の切り札」にとって気の毒としかいえなかった。

 かつて中田が、自嘲気味に話していたこともうなづける。「あそこまで打って投げてとされたら、こっちが練習してるのがバカバカしくなってくるというか…」。羨望はリスペクトにも通じていた。

 ドラフトで指名されても戦力にならなければ消えていくプロの世界。大谷は突出した能力を日本ハム在籍の5年間、洗練されたトレーニングでさらに磨き上げ、MLBへ巣立っていった。

 メジャー各球団は今後、打者としては内角攻め、投手としては待球作戦とさまざまな陽動策を仕掛けてくるだろう。とはいえ確立しつつある二刀流ローテーションを守り抜ければ、生き残れると信じている。かつて球界OBが「二刀流反対」と唱えた逆風を跳ね返した実績があるのだから、心配はいらない。

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