野球を好きになって

[ 2018年4月4日 10:00 ]

野球教室終了後、子供たちにサインする井口監督
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 【伊藤幸男の一期一会】小・中学生があこがれる職業で「プロ野球選手」が年々下降している。公園でもキャッチボール禁止のご時世。少子化に加え、若年層の野球離れから、高校野球でも1校単独ではなく合同チームで公式戦出場のケースが目立ってきた。

 昨年11月26日、ロッテ・井口資仁監督が北海道上川郡当麻町で講師を務めた野球教室を取材した。北海道赴任通算10年目となる私でも、人口6500人の同町を訪れたのは初めてだった。

 指揮官に就任直後のファン感謝デーがZOZOマリンで開催されたのが同23日。井口監督は翌日に北海道入りすると厳寒の3市町村で野球教室を行った。

 「15年くらいここで続けてますから、教室の輪が広がっていくんです。仁木町(小樽市近郊)では“にき果実とやすらぎの里大使”にも任命されてますから」。

 当日は同町の中学生人口約1/4が出席するなど大盛況。「子どもはちょっとしたきっかけでグンとうまくなっていく。この教室に参加して野球をもっと好きになってほしい」。生徒の単純な質問にも、井口監督は丁寧に答えていた。

 少年少女の無邪気な笑顔を見ながら、私自身の勉強不足も恥じた。昨今のプロ野球選手はシーズンオフに入ると、井口監督のみならず12球団のエース、主力打者、監督・コーチ陣が野球教室に参加。球児と積極的に触れあっていた。失礼ながら全国でゴルフ三昧―と思い込んでいたが、取材するほど誤報だったことが判明した。申し訳ありません。

 日本野球機構(NPB)は野球振興事業の財源の一つとして、スポーツ振興くじの対象にプロ野球を加える可能性を議論している。その一方、現場の選手は常日頃からファンサービスを心がけてきた。ともに危機感を共有しているからこそ、それぞれが打開策を模索している。

 東京五輪後の野球界の未来など誰も想像できない。しかし、表向きな数字に一喜一憂することなく、まずは己の信じる道を貫き通す。私たマスコミもスポーツの素晴らしさ、野球の奥深さを分かりやすく伝えていくことが仕事であり、使命と感じている。

 ◆伊藤 幸男 1959年6月8日生まれ。84年スポニチ入社。アマ野球、巨人担当。北海道総局勤務を経て現在に至る。

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