石井一久氏 大谷、精度上がった直球 OP戦は失敗ではなく成功への過程だった

[ 2018年4月3日 09:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス7―4アスレチックス ( 2018年4月1日    オークランド )

力投する大谷
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 メジャー通算39勝をマークしている本紙評論家の石井一久氏(44)は、デビュー戦独特の緊張感の中で、自分の体をコントロールできたことが好投につながったと分析した。具体的にはアリゾナでのキャンプ時と比較して、生命線である直球の精度が上がったと指摘。適応能力の高さを改めて評価した。

 大谷はオープン戦から課題としていたスプリットが安定し、奪三振6個のうち、5個をこの球種で奪った。そのスプリットを生かすことができたのは、真っすぐの精度が上がったからだ。元々、パワーピッチャーなので、四隅にズバズバ決めるタイプではないが、多少コースはアバウトでも球に力があった。

 デビュー戦のマウンドというのは、誰でもいつも以上にアドレナリンが出るものだが、それが悪い方向に作用してしまった時は力んで上体が突っ込んでしまったり、投球間隔が速くなってしまったりする。しかし、大谷は投げ急ぐことなく、自分の体をコントロールできていた。軸足で立ってステイバック(体重を後ろに残す)し、リリースポイントで十分な力を伝える。この日はしっかり指に掛かり、球威で押し込めていた。早めに追い込むことができれば、スプリットがより威力を発揮する。

 もちろん、気候の変化も影響した。オークランドはサンフランシスコ湾に面しており、アリゾナよりは湿気も多い。マウンドで指に息を吹きかけるようなしぐさも見られた。僕がメジャーでプレーしていた時は一度マウンドを降りないといけなかったが、今はOKになった。このあたりもリズムを崩さずにできた理由の一つだろう。

 本塁打されたスライダーはまだ抜けることが多い。7番打者といえども、ア・リーグは1〜9番まで一発があるので、甘くいくとスタンドに放り込まれる。それでも本塁打された後でもスライダーを続ける場面があり、試合の中で修正しようとする姿勢も見えた。

 オープン戦では結果が出なかったが、それは「失敗」ではなく成功への「過程」だった。周囲の雑音にも惑わされず、一つずつ課題をクリアしてきたことが、初登板初勝利につながったのではないか。 (本紙評論家)

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