【夏100回でリベンジ】由利工・大友丈 両親のため“最後の打者”悔しさ忘れない

[ 2018年3月25日 05:30 ]

第90回選抜高校野球大会第2日・1回戦   由利工0―5日大三 ( 2018年3月24日    甲子園 )

<日大三・由利工>9回2死一塁、右飛に倒れて最後の打者となる由利工・大友丈
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 唇をかみしめた。9回2死一塁。由利工・大友丈は直球をフルスイングした。だが、打球に伸びはない。右翼手のグラブに収まりゲームセット。悔しい気持ちがあふれてきた。

 「自分で試合を終わらせてしまった。一本出ていれば、という場面だった。自分のせいだと思います」

 3打数無安打。それでも、両親を再び甲子園へと連れてきた。父・雄(たけし)さん(40)は95年の夏に金足農で8強に進出。母・麻佳さん(40)は同校のマネジャーだった。幼い頃から身近にあった夢舞台。大事な試合の前には玄関に飾られている甲子園の土を目に焼き付けて「甲子園に行く」と誓った。

 練習が終わり自宅に帰ると、父がティー打撃を手伝ってくれた。翌日早朝に家を出る頃には、母が手作りの弁当を用意してくれた。2人への感謝の気持ちは強い。スタンドで見守った雄さんは「僕は三塁コーチだった。そういう意味でも息子には頑張ってほしい」とエールを送った。「必ず夏に戻ってくる」と丈。次こそは白星をプレゼントする。

 ◆大友 丈(おおとも・じょう)2001年(平13)2月6日生まれ、秋田県由利本荘市出身の17歳。小学3年で野球を始め、本荘南中時代は軟式野球部に所属。由利工では1年秋からベンチ入り。特技は長距離走。趣味はバスケットボール。1メートル67、65キロ。右投げ右打ち。

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2018年3月25日のニュース