【キヨシスタイル】岡本と私の共通点。ライバルの出現で火が付いた

[ 2018年3月20日 11:30 ]

打撃練習をする岡本
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 やっと来たって感じだね。巨人の岡本和真。スイングが速くなってる。バットに向かっていく気持ちを乗っけてオープン戦13試合で47打数14安打の打率・298、4本塁打、13打点。これだけ結果を残せば、由伸監督も使わざるを得ないよ。

 入団4年目。のほほんとした男の尻に火が付いたね。年上だけどルーキーの大城卓三、田中俊太がキャンプから生きのいいバッティングを見せている。このままじゃクビ…。危機感が生まれたんだと思うよ。

 私にも経験がある。巨人入団4年目の79年にやっと三塁のレギュラーをつかみ、80年は初めて規定打席に到達した。それなのに球団はその年のドラフトで同じポジションの原辰徳を1位指名。4球団競合の末に新監督の藤田元司さんが当たりくじを引いたんだ。

 あか抜けしてジャイアンツのカラーに合ってる原に対し、私は泥くさく農耕民族の香りがプンプンしている。お客さんを呼べるスター選手を獲るのは分かるけど、私としたらやっとつかんだポジションを「はい、どうぞ」と渡すわけにはいかない。納会で藤田さんに「必ず勝負させてください」と直訴した。

 翌81年のベロビーチキャンプ。最高の集中力を持って練習に臨み、量もこなした。原は二塁へ。二塁にはレギュラーを獲ったばかりの篠塚利夫(のちに和典)がいたから、ぎくしゃくしたところもあったけど、原は開幕から活躍してチームに勢いをつけてくれた。

 そして5月4日の阪神戦(後楽園)、私は二塁ベース上で岡田彰布に乗っかられて左肩を負傷した。この「神様に与えられたケガ」でチームはいいサヤに収まる。原が三塁に回り、二塁は篠塚。復帰後の私は一塁に入って・322と初めて3割をマークした。危機感のおかげだ。チームは4年ぶりのリーグ優勝、8年ぶりの日本一。最高のシーズンになった。

 競争意識、危機感がないところで選手は育たない。世代交代が求められる巨人にようやくその環境が整ってきた。仕上げの段階に入ったオープン戦、残り5試合。岡本にはメッセージを送り続けてほしいな。

 「阿部さん、当分休んでいてください」

 口じゃ言えないよね。バットでいいんだよ、バットで!(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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