“81番目の男”DeNAドラ8楠本 また打った「ホッとできる立場でない」

[ 2018年3月15日 05:50 ]

オープン戦   DeNA6―4楽天 ( 2018年3月14日    静岡 )

<楽・D>7回1死、楠本が右越えソロを放つ
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 開幕1軍へ、また一歩近づく一発だった。DeNAのドラフト8位・楠本(東北福祉大)が6回の守備から途中出場。7回に回った打席で、1ボールからの2球目のスライダーを振り抜いた打球が右翼ポール際へと吸い込まれた。

 オープン戦は11試合で13打数7安打、打率・538、2本塁打となったが、本人は「(手応えは)全くない。ホッとできる立場でない」と表情を崩さなかった。

 昨秋ドラフトは8位指名で、全体でも82選手中81番目でプロの門を叩いた男の評価が右肩上がり。沖縄・宜野湾キャンプではラミレス監督から「野手MVP」に指名された。大学4年時に日本代表の4番を務めた打力に加え、50メートル走は6秒0の俊足の持ち主。この日も7回に左中間を抜けそうな打球をジャンピングキャッチするなど守備範囲も広い。

 小・中学校の同級生だった楽天・松井と13日にプロの世界で初対戦し、空振り三振を喫した。「次は悔しさを晴らしたい」。控え選手の立場だが、乙坂、ドラフト2位の神里(日本生命)、新助っ人のソトらと開幕1軍を争っている。「素晴らしいパフォーマンスを見せているのは疑いようがない。(開幕1軍は)最後の最後に決めようと思う」とラミレス監督。首脳陣もうれしい悩みに頭を抱える。

 16日からのオリックス3連戦で、2軍調整中の梶谷が1軍に合流する。楠本はこの間、2軍に合流して打席を重ねるが「上とか下とか関係ない。必死にやるだけ」と変わらない。高卒のドラフト1位でしかも5球団競合で入団した松井とは好対照な「81番目の男」が、泥くさく階段を上がる。 (重光 晋太郎)

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2018年3月15日のニュース