イチロー「粋」に感じた オープン戦初出場で異例の総立ちコ〜ル

[ 2018年3月13日 05:30 ]

オープン戦   マリナーズ5―6レッズ ( 2018年3月11日    ピオリア )

<マリナーズ・レッズ>初回、大声援を浴び打席に立つイチロー
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 マリナーズに6年ぶりに復帰したイチロー外野手(44)が11日(日本時間12日)、レッズとのオープン戦に「1番・左翼」で初出場した。2012年7月22日レイズ戦以来、2058日ぶりにマ軍での背番号「51」のユニホーム姿でプレー。3打数無安打で2三振だったが、メジャー18年目を迎えた現役最年長野手は29日(同30日)のインディアンスとの開幕戦に向けて手応えをつかんだ。

 心に染みた。初回。キャンプ地ピオリアでイチローの名前が6年ぶりにコールされると、場内のファンが総立ちになり、拍手を送った。オープン戦では極めて異例の光景だ。

 「アメリカの文化に“粋”というものはあまりないけど、こういうのはそう。それを選手側が感じないなんてあり得ない。これはやっぱり“人の思いに応えたい”という気持ちが生まれますよね」

 今キャンプで初めて試合用の背番号「51」のユニホームを着て、改めて思いがこみ上げた。「いろいろなことを経験して、またここに戻ってきたことは感慨深いですよ。袖を通して、スパイク履いて、キャップかぶって全部こう、制服としてそろったときにね」。試合前、クラブハウスからカートで球場へ移動するのは、おなじみの光景だった。チケット完売となった8499人の観衆がどよめき、あちこちで「イチロー・コール」が起きた。

 球場内が一体感で包まれた第1打席。フルカウントから88マイル(約142キロ)の高めの直球をボールと判断して見逃したが、判定はストライクだった。イチローは苦笑いし、容赦ないブーイングが球審に向けられた。以降の打席は鋭い当たりの左飛と空振り三振だったが、手応えはあった。バットを振りにいってから止めることができている打撃の形だ。

 「(初実戦で)あれだけボールを見られない。振らないと決めていたら見られるけど振りにいって止めているから。それは全然違う」。昨季はこの形が思うようにいかず、前半戦の不調に影響したという。スコット・サービス監督も「良かった。タイミングもいいし、見極めもできている。初戦としてはいい内容」と評価した。

 この日のデーゲームに続き、12日(日本時間13日)はナイターのホワイトソックス戦に出場して実戦勘を養う。3月11日のオープン戦初出場はWBCに出場した06、09年を除けば最も遅いが、焦りはない。「とりあえず今日でグッと上がったはず。感触がね。練習でいくら重ねても限界がある。今日で感触的には次元が違う」。2058日ぶりの復帰戦。感慨とともに、確かに得たものがあった。(ピオリア・笹田 幸嗣通信員)

 ▼粋 人情の機微をよく理解していること。また、江戸時代に生まれた美意識(美的観念)のひとつでもある。対義語は「やぼ」。

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