阪神・福留 星野氏追悼試合に志願の出場へ「僕の中ですごく大きな存在」

[ 2018年3月9日 05:38 ]

阪神・福留
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 阪神・福留孝介外野手(40)が、元監督の星野仙一氏(享年70)の追悼試合となる10日の中日戦(甲子園)への出場を志願していたことが8日、分かった。片岡ヘッド兼打撃コーチが「向こうから“出たい”というのがあった」と経緯を明かした。99年に新人で入団した中日で星野氏が監督を務めていた。猛虎を支えるベテランが、亡き恩師に全力プレーで弔い星をささげる。

 胸の中に止めていた恩師への思いを激白した。1月4日に星野氏が急逝。訃報を受けた直後は戸惑いを隠しきれなかった。早すぎる突然の別れから約2カ月…。落ち着きを取り戻した福留が、ようやく重い口を開いた。

 「(星野監督は)この世界に入る、すべての道を作ってくれた。僕の中ではすごく大きな存在」

 98年のドラフトでは日本生命から逆指名で中日に入団。当時、監督を務めていたのが星野氏だった。1年目の99年には132試合に起用され、プロとしての第一歩を後押ししてくれた。

 そんな指揮官の期待に応えるように、着実に実力をつけてスター選手への道を歩んでいった。01年までの3年間、闘将の下で土台を築いたからこそ、今がある。40歳となった現在でも第一線でプレーできていることへの感謝とともに、感慨深げに当時を振り返った。

 「きっかけもすべて与えてくれましたし、ここまで野球ができるというのも、星野さんがいなければ僕がこの世界でやることはなかった。もちろん、その厳しさがあるから、今、ここまでやってこれていると思う」

 星野氏がその後、阪神監督を歴任したこともあり、10日の甲子園での中日戦は追悼試合として開催される。金本監督をはじめ、コーチ、選手全員が星野氏が阪神監督時代に背負った背番号77のユニホームを着用。その特別な一戦に、チーム最年長が志願の出場を果たす。

 「そういうゲームで、少しでも、というのもある。何打席になるかわからないですけど、少しでも出て。それが(星野)監督に対しての供養になるのか、わからないですけど、やっぱり今まで育ててもらったという感謝の気持ちを込めながら臨めればと思います」

 天国で見守る恩師に、全力プレーを届けることを約束した。昨年より2日早い、オープン戦初出場。グラウンドでは再び悲しみを胸にしまい、相手へと立ち向かう。

 「これから先、若い選手に(星野監督の厳しさも)伝えていけるようにやっていければと思っています」

 勝利への執念をはじめとした星野氏の教えが、心の中から消えることはない。猛虎の後輩に引き継ぐ使命が、福留にはある。 (山本 浩之)

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2018年3月9日のニュース