マリナーズ番記者 イチ帰還を予感していた「強い絆で結ばれていた」

[ 2018年3月7日 09:20 ]

シアトル・タイムズ氏のラリー・ストーン氏
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 地元紙「シアトル・タイムズ」で20年以上マ軍を取材するラリー・ストーン記者は、イチローのマリナーズ復帰の意義や背景について寄稿した。(構成・奥田秀樹通信員)

 私には、イチローがいずれマリナーズに戻ってくる予感があった。強い絆で結ばれていたし、12年7月のトレードで(関係性に)ピリオドが打たれたとは考えにくかった。

 このオフ、当初球団はイチローとの契約を検討したが、将来的なプランに合わないと動かなかった。ところが左翼手ギャメルの長期離脱により、「第4の外野手」が必要になった。プレー機会は限られるが、マーリンズでも同じ役割だったからうまくやれるだろう。

 とはいえ、2つ心配事がある。一つは44歳で、どれだけ活躍できるか。昨季の打率・255、50安打は決して十分な成績ではないし、今後の急上昇も見込めない。二つ目は、グリフィーの時のような残念な結末を迎えないか。復帰2年目の10年は衰えが顕著で、33試合プレーしただけでチームを去った。

 ギャメルが復帰した時点で、イチローが余剰戦力となる可能性がある。イチローは結果を出し続ける必要があるし、状況次第でシーズン中に球団が戦力外と判断せざるを得ないケースもある。彼のようなレジェンドを後腐れなく解雇するのはかなり難しい。

 ただ言えるのは、今の時点ではシアトルのファンは大喜びだということ。米国の野球殿堂に入る際、複数球団に在籍した場合は、どこのチームの選手として入るかが一つのトピックになる。この復帰により、「マリナーズのイチロー」として入るのは間違いない。それもまた、シアトル市民にとっては大変誇らしいことだ。

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2018年3月7日のニュース