【槙原寛己 視点】稲葉J「逆方向」への打撃浸透 若手が手本実践 

[ 2018年3月5日 08:42 ]

侍ジャパンシリーズ   日本6―0オーストラリア ( 2018年3月4日    京セラD )

6回1死三塁、松本は右前適時打を放つ
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 2番に抜てきされた松本は、自分が何をすべきかが分かっていた。2回の右犠飛から、3打席連続で中堅から右方向を狙った打撃。国際試合のお手本ともいうべき打撃を若手が実践してくれたことが、稲葉監督はうれしかったに違いない。

 昨年3月のWBC準決勝では、米国の投手の手元で動くツーシーム系の球種に苦しんだ。少しでも引きつけて、逆方向へ。この打撃こそが攻略への糸口になる。秋山らもそうだが、その意識が浸透していることは稲葉ジャパンの大きな収穫だ。

 主力と若手が融合したチームで連勝。20年東京五輪までの2年半、稲葉監督にはこれからも固定観念を持たず、多くの選手にチャンスを与えてほしいと思う。目標はあくまで金メダル。実際にプレーする選手には酷かもしれないが、選考は本番を前にしたギリギリの段階で絞ればいい。「この選手は決定」ではなく、思いもよらない名前が出てきた方が面白い。それでこそチームの底上げとなる。 (本紙評論家)

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2018年3月5日のニュース