阪神・緒方あるぞ開幕センター!サファテから一発「最高の結果出た」

[ 2018年3月4日 05:45 ]

オープン戦   阪神1―4ソフトバンク ( 2018年3月3日    ヤフオクD )

9回2死、代打・緒方はサファテ(左)から中越えソロを放つ
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 阪神・緒方凌介外野手(27)が30日の巨人との開幕戦(東京ドーム)の先発中堅に急浮上した。昇格後初出場だった3日のソフトバンク戦で昨季MVPに輝いたサファテから中越え本塁打。代打の1打席勝負で速球を捉えた鮮烈な一撃だった。金本知憲監督(49)は「今おる外野手で開幕で菅野を打てそうなヤツ、おる?緒方しか浮かばん」と大抜てきの可能性を示唆。「シンデレラ・ボーイ」誕生の予感だ。

 最後の最後で最高のアピールに成功した。無得点で迎えた9回2死無走者。西岡の代打で起用された緒方が輝きを放った。

 「最高の結果が出ました。速い真っすぐを打つことがテーマなので、しっかり仕留められてよかった」

 昨季54セーブのプロ野球新記録をつくったサファテとの対決。2日に昇格したばかりの背番号65が日本一の守護神に立ち向かった。2ボールからの3球目。外角低めの146キロ直球を狙い澄ましていたかのように振り抜いた。バックスクリーン手前に飛び込む特大ソロ。打者陣がテーマとする速球を打ち砕く、値千金の一撃だった。

 中谷、俊介、高山、島田らが火花を散らす「中堅戦争」に堂々と名乗りも上げた。いや、名乗りだけでは済まない。金本監督は大抜てきの可能性を示唆した。「今日のを見たらね。今おる外野手で、開幕で菅野を打てそうなヤツ、おる? 緒方しか浮かばん。いや冗談抜きで。あるよ。ないことないよ」。特に序盤は他の若手野手がバンデンハークの速球に苦戦。余計に緒方の一振りが目立ち、6年目で初の開幕オーダー入りに一躍浮上した。

 努力が実った。昨季は1軍出場がなく、今春キャンプも2軍。腐ることなく、バットを振り続けた。その1カ月間に転機も訪れた。タイミングの取り方に悩んでいた時だ。14年6月15日の西武戦でプロ2号を放った映像を見た浜中2軍打撃コーチから当時のように右足を内に入れるフォームに戻すことを勧められた。

 「“(右)足が内に入っていた。戻してみたら?”と。タイミングが全然、取れていなかったので“戻してみます”となって、そこからよくなりました」

 2軍では実戦6試合で19打数12安打、打率・632、1本塁打、4打点、5盗塁。1軍切符を勝ち取り、今回の博多遠征に乗り込んだ。そして、代打での1打席を生かした。「自分は他の野手より厳しい立場。1打席1打席で結果を残さないと生き残れない。今日はよかったです」。遠投120メートルの強肩と50メートル走5秒8の俊足も兼ね備え、一気に中堅のレギュラーまで駆け上がる可能性と能力を秘めている。(惟任 貴信)

 ○…緒方に本塁打を打たれたサファテ(ソ)は昨季66回を投げて被本塁打3。投球9回あたりの被本塁打率0・41本は単純に昨季セの規定到達投手と比べれば、トップのメッセンジャー0・31(143回、5本)に次いで、2位のマイコラス(巨)0・478(188回、10本)を上回るレベルといえる。なお菅野(巨)は昨季リーグ3位の0・480(187回1/3、10本)。対阪神は投球38回で5月9日に福留の1本を許したのみ。通算でも143回で15年8月20日の福留との計2本、被本塁打率0・16の難敵。緒方とは過去に対戦がない。

 ◆緒方 凌介(おがた・りょうすけ)

 ★生まれ&サイズ 1990年(平2)8月25日生まれ、大阪府出身の27歳。1メートル76、74キロ、右投げ左打ち。

 ★球歴 PL学園、東洋大を経て12年のドラフト6位で阪神入団。

 ★苦闘 東洋大主将を務めた4年春に右膝前十字じん帯を損傷し、再建手術。阪神入団直後は別メニュー調整の日々を過ごす。14年9月には2軍で守備練習中に右膝をひねり、クリーニング手術を受けている。

 ★躍進 1年目を終えた13年秋のキャンプでアピール成功。掛布DC「怖い攻撃型1番」の評価でMVP選出。同年のウインターリーグ(台湾)で日本人選手の中で打率、安打、盗塁の“3冠”。翌14年開幕1軍入りし、6月7日のオリックス戦(甲子園)でプロ1号。

 ★成績 通算51試合で18安打、2本塁打、5打点の打率・220、2盗塁。昨季は1軍出場なし。

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2018年3月4日のニュース