牧田 ド緊張デビュー 失点も“浮き上がる直球”に手応え

[ 2018年3月3日 05:30 ]

オープン戦   パドレス9―9レンジャーズ ( 2018年3月1日    サプライズ )

<レンジャーズ・パドレス>レンジャーズ打線を相手に1回を投げ、2安打1失点の牧田
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 ド緊張デビューだ。パドレスの牧田和久投手(33)が1日(日本時間2日)、オープン戦に初登板した。メジャー1年目のサブマリンは極度の緊張を抱えながら、7―6の6回にマウンドに上がった。スローカーブの制球を乱す場面もあり、1イニングを投げて2安打1失点に終わったが、高めに浮き上がる直球が威力を発揮するなど確かな手応えも得た。

 初登板を終えた牧田は、20人以上の報道陣に囲まれ「今でも緊張している」と苦笑いした。2度のWBCを経験したが「それ以上の不安。心臓(の鼓動)が速くて」。登板前のブルペンでは深呼吸を繰り返す姿を同僚の若手らに笑われ、「トイレも近くなった」と一度ベンチに戻った。

 メジャー初の実戦登板は1回2安打1失点。「緊張しっぱなしで思うような投球はできなかった。早くアウトを取りたいという気持ちが強すぎて、投げ急ぎにつながった」。試合後半とあり、対戦した打者5人は全員マイナー選手。しかし、この日最も遅い54マイル(約87キロ)のスローカーブが甘く入って、先頭打者に左前打を許した。さらに盗塁で二塁に進まれ、2死後には真ん中低めの直球が三遊間を破られて失点した。

 それでも、無死一塁では高めの直球で空振り三振を取るなど、下手投げから浮き上がる直球は威力を発揮。「他の投手を見ていると高めを本塁打されているイメージが強いけど、自分は高めに投げても空振りを取れていた」と収穫を口にした。最後の三ゴロはクイックモーションで巧みにタイミングを外した。

 バッテリーを組んだベテラン捕手エリスは昨季マーリンズで下手投げのジーグラーの球を受けていた。「ジーグラーの真っすぐは少し沈む。マキ(牧田)のはきれいな球筋でライズする(浮き上がる)から、本当にユニーク」と評した。

 チームメートにも着々と溶け込んでいる。クラブハウスには牧田が持ち込んだ「チョコボール」、「うまい棒」などの駄菓子が並ぶ。マリナーズ時代の12年に行われた日本開幕戦で来日した右腕ウィリヘルムセンは「うまい棒」がお気に入り。「この間、めんたい味が良かったから、次投げた後はピザ味を試すよ」と笑った。

 「今日の結果は自分で点数を付けるなら50点くらい」と牧田。課題を修正し、平常心で臨める次回登板こそ真価を存分に発揮する。(サプライズ・奥田 秀樹通信員)

 ▼パ軍アンディ・グリーン監督(牧田について)彼の高めの真っすぐに対して、打者は良いスイングができていなかった。

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