侍J4番・筒香が引っ張る オーダー唯一明言 東京五輪金への第一歩

[ 2018年3月3日 05:30 ]

侍ジャパンシリーズ   日本―オーストラリア ( 2018年3月3日    ナゴヤドーム )

フリー打撃をする筒香
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 侍ジャパンがオーストラリア代表と強化試合を行う侍ジャパンシリーズが3日、ナゴヤドームで始まる。昨秋のアジアチャンピオンシップで優勝したが、2020年東京五輪を目指す稲葉篤紀監督(45)にとって、トップチームとしての初陣。打順を明言しない中で、筒香嘉智外野手(26)の4番だけは指名。金メダルへの大黒柱と託された主砲は、白星を呼び込む打棒を誓った。

 昨年3月のWBC準決勝・米国戦での敗戦以来、1年ぶりに日の丸を背負う一戦。東京五輪金メダルへの大事な一歩目へ、筒香が表情を引き締めた。

 「勝つ試合をファンの方は望んでいると思う。(五輪へ向けてメンバーが)集まる機会は本当に少ない。まず明日、勝ちに貢献できるようにしたい」

 「スピード+パワー」を掲げる稲葉ジャパンの「パワー」を一手に担う。ナゴヤドームで行われた全体練習。33スイングしたフリー打撃では逆方向に流すルーティンから、計4発の柵越え。今季は重心を高く、スタンスを狭める新打撃フォームに挑戦している。侍では初披露となるが、「今どうこう慌てても変わらない。自分の力が100%出せるように。(フォームの)先や完成形はどこか分からない」と勝利を求め、状況に応じた打撃はこれまでと変わらない。

 決戦前日になっても、稲葉監督は先発オーダーの明言を避けたが、「初戦の4番・筒香」とこの男だけは特別だった。DeNAで主将を務めるが、代表では置かない方針だ。「僕より先輩はたくさんいる。そこは先輩に任せて。成績で引っ張れるように頑張ります」。筒香はバットだけに集中する。

 09年WBCで4番も務めた稲葉監督は「私の時代は本当の4番がいなかった。今は筒香選手のようなどっしりした4番がしっかりといる」と全幅の信頼を寄せる。

 試合前には同じナゴヤドームで、1月に急逝した星野仙一氏の追悼試合・中日―楽天戦も行われる。指揮官にとってはメダルを逃した北京五輪で、監督と選手の間柄だった恩師だ。「東京五輪で金メダルを獲り、星野監督にいい報告できるように。特に今回は初戦。いい勝ち方ができるように戦う」。大黒柱に据えた主砲と「必勝」の思いが重なった。単なる強化試合ではない。内容にも結果にもこだわる初陣だ。

 ◆侍ジャパン強化試合大会ルール
 ☆DH制 2試合ともに採用。
 ☆使用球 WBSCの17年度公認球。
 ☆球数制限 なし。
 ☆延長戦 なし。9回終了で同点の場合は引き分け。
 ☆コールドゲーム なし。
 ☆ベンチ入り選手 28人以内。

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