ソフトBグラシアル“マルチ”な活躍 自己判断の犠打「それが役割」

[ 2018年2月28日 05:50 ]

練習試合   ソフトバンク1―2ロッテ ( 2018年2月27日    アイビー )

5回無死二塁、投前に送りバントを決めるグラシアル
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 ソフトバンクの新外国人、ジュリスベル・グラシアル内野手(32)が27日、「球春みやざきベースボールゲームズ」のロッテ戦に「8番・DH」でスタメン出場し、2安打をマークした。5回の第2打席では自らの判断で犠打を決めるなど、チームの今季初の対外試合でマルチな役割を果たした。

 三塁ベンチの工藤監督も驚くプレーだった。0―1の5回無死二塁。グラシアルは2球目の直球をバントで投手前に転がし、走者を進めた。サインではなく、自らの判断で敢行した犠打だった。

 「キューバでもやったことはある。チームが勝つためにできることを考えて、それが役割だと思った。(バントは)野球には必要なこと。ある程度は自信を持っている」と涼しい顔で振り返った。

 今季初の対外試合。「8番・DH」で出場すると、2回の第1打席ではロッテ・石川の内角直球をコンパクトにスイングし左前打。直後に二盗には失敗したが、8回にもゴロで三遊間を破った。いきなりのマルチ安打に「初めてにしては感触は良かった」と納得の表情を見せた。

 キャンプ中にチームに合流。松田らチームメートから「ジュリ」の愛称で呼ばれ、溶け込んでいる。昨年のWBCでは巨人・菅野から左翼席への本塁打を放った右の強打者。左足を小さく上げてタイミングを取るフォームで、ムダな動きがなく、目線もブレにくいため、初対戦の投手に対してもアジャストできた。工藤監督は「順応性を見せてくれてうれしい。(バントも)勝つために考えてくれてありがたい」と話し、王貞治球団会長も「見事な2安打。小技も使えるのは収穫だよね」と称えた。

 チームの外国人はバンデンハーク、モイネロ、サファテ、デスパイネの4選手が欠かせない戦力のため、外国人枠から外れる可能性は高い。それでも、長いシーズンでは故障者が出ないとは限らない。内野ならどこでもこなせる堅実な守備に、自己犠牲精神も持つグラシアルは「もう少しトレーニングを積んで、コンディションを向上させたい」。新助っ人がバックアップメンバーに加わったことは、チーム力の底上げにつながる。

 ◆ジュリスベル・グラシアル(Yurisbel Gracial)1985年10月14日、キューバ生まれの32歳。アントニオ・マセオ大卒。09〜10年シーズンからキューバ国内リーグでプレー。昨年のWBCでは菅野(巨人)から本塁打をマーク。1メートル87、95キロ。右投げ右打ち。

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