千賀イズム 長谷川宙に注入 前日6失点の育成左腕に身ぶり手ぶり指導

[ 2018年2月26日 05:30 ]

千賀(右)からアドバイスを受ける長谷川宙
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 “千賀塾”開校だ。ソフトバンクの開幕投手に内定している千賀滉大投手(25)が25日、育成2年目左腕・長谷川宙輝投手(19)に教えを請われ、自らの経験を伝えた。自身も2年目に主力中心のA組でキャンプを過ごしており、当時を思い出しつつ大役を果たすための準備に余念がない。

 室内練習場に千賀の声が響いた。

 「今のどこが悪かったか分かる〜?」

 “師匠”からの声に思案顔なのは、キャッチボールの相手を務める育成2年目の長谷川宙だ。24日の紅白戦で1回6失点と大炎上したばかり。内向的な性格の後輩が勇をふるって助けを求めれば、先輩として応えないわけにはいかない。「(同じ24日の紅白戦で2回)5失点した投手に、よく聞くなあと思ったけど」と自虐的に笑いながら快諾した。

 先発の柱として2年連続2桁勝利を挙げ、昨季は勝率第1位の初タイトルを獲得した千賀も育成出身。2年目に主力中心のA組でキャンプを過ごした。現在の長谷川宙の姿は当時の自分と重なり、言葉に熱がこもる。練習方法や考え方など、はい上がろうと必死にもがいた経験を伝えた。

 代名詞である、落差の大きい“お化けフォーク”について「しっかりワンバンさせるところから始めた」と習得に至る過程や、直球の修正にも使えることなど惜しみなく伝授。長谷川宙は「体の使い方を教わった。まだ全力で投げてみないと分からないけど、感覚的にはつかめたかな」と、見えてきた光明に笑みがこぼれた。

 悩める後輩への指導は、自分が基本に立ち返る契機にもなった。「あの時、こうしたなとか、自分の勉強にもなる。良い時間だった。見つめ直せたところもある」。球団初、12球団を見渡しても例がない育成出身の開幕投手を3月30日のオリックス戦(ヤフオクドーム)で務める。「責任感は全然ないけど」。照れ隠しの言葉を吐く千賀にはエースの風格が漂っていた。

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