金本監督苦言「情けない」 中谷が高山が“直球縛り”でも打てず

[ 2018年2月21日 05:30 ]

小野の直球に苦戦する中谷
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 阪神は20日に沖縄・宜野座キャンプ第5クール初日を迎え、1カ所打撃で異例ともいえる“直球縛り”の打撃練習を実施した。

 直球打ちを課題とされる高山、中谷が速球派の小野、才木と対戦。球種が分かっていても苦心する様子に金本監督は「情けない」と苦言を向けた。

 午後からの1カ所打撃。植田、島田と続いていく段階で「狙い」が明らかになった。小野は打者2人を終え、投げた12球は全て直球。18日の日本ハムとの練習試合ではロドリゲスや田中豊、石川直ら150キロを超える投手を攻略できず無得点に終わっていた。片岡ヘッド兼打撃コーチは「元々決まっていた練習」と結びつきは否定したが、昨季から続く課題が解消されていないことに危機感を感じたことは間違いない。

 中堅の定位置を争う高山、中谷も昨季から“真っすぐに弱い”と言われており、日本ハム戦ではともに2三振だった。今回の練習の設定はカウント3―1、もしくは、2―0。つまり打者有利でストライクゾーンに直球が来ることが分かっている状況だった。

 高山は小野の初球147キロこそ中前にはじき返したが、続く才木からは安打性の打球を打てなかった。才木との2度目の対戦では右中間突破と右翼フェンス直撃の打球が出ても、セットポジションからの投球で球速も落ちていた。25球中12スイングで安打性6本ながらうち、4本は「再戦」で放ったものでは胸を張れない。

 中谷も小野との最初の対戦では4球目に中前に安打性を放っただけで、才木からは高山同様に安打性なし。才木との再戦で左翼芝生席に一発を放つ意地を見せたが、25球中15スイングで安打性3本に終わり、「しっかりと合わせられるように。まだ全然です」と険しい表情だった。

 異例の練習の発案者は金本監督だった。「高山、中谷は特に真っすぐを捉えきれない。配球に迷いがあった場合は無理だからね。まずは真っすぐと読んだ時にきっちり打てるかどうか」と説明。期待した結果は出ず「バッターが情けない」と切り捨てた。昨季12球団最多の736得点だった広島に「真っすぐに強い」という分析が高性能弾道測定器「トラックマン」のデータから出ていることを明かし、早急な速球対策の必要性を改めて感じていた。

 《小野&才木「いい練習」》1カ所打撃には若手随一の直球を持つ小野と才木が登板した。打者の直球対策とはいえ、香田投手コーチは「打者に対してずっと直球を投げるのは大事なこと。直球の強さ、集中力を高めるにはいい練習」と説明。小野も「自分も直球は大事にしたいので。そういう状況でも自分の直球を投げられることが大事。いい練習になった」と収穫を強調した。

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