誠也 復帰初球弾!179日ぶり実戦「最高の形になった」

[ 2018年2月19日 05:30 ]

練習試合   広島4―1中日 ( 2018年2月18日    コザしんきん )

<広・中>4回1死、復活のソロ本塁打を放ち、ナインの出迎えに笑顔の鈴木
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 広島・鈴木誠也外野手(23)が右足首を骨折した昨年8月以来の実戦で鮮やかなアーチを掛けた。18日、中日との練習試合(コザしんきん)に代打で登場。初球をいきなり左翼へ運んだ。守備走塁面はまだ慎重だが、順調なら21、22日の練習試合に指名打者で先発出場し、24、25日のオープン戦2試合で守備を含めて完全復帰する予定だ。

 天賦の才を改めて見せつけた。右足首を骨折した昨年8月23日のDeNA戦(横浜)以来、実に179日ぶりの実戦。しかも今春初の対外試合、初打席の初球をいきなりスタンドに運ぶとは。復帰戦での鮮やかな一発。鈴木は声をはずませる。

 「対外試合で打席に立てたし、初球からしっかり振れたのは良かった。結果も最高の形になったと思います」

 役者が違った。1―0の4回1死から、DH・丸の代打で登場。鈴木翔の初球138キロ真ん中高め直球を捉えると、打球は逆風を切り裂いて左翼芝生席に着弾した。場内のファンは大喜び。失投をひと振りで仕留めるスイングは圧巻だった。

 「打ち出しのランニングには注意しないといけない」。そう自制しながらの打席。出塁した場合は打者走者として、そのまま走る予定だった。当初プランにわずかな狂いを生じさせた強打。首脳陣は苦笑するしかない。

 守備走塁の懸案解消に向けては、徐々にステップを踏んでいる。前日17日には、走者として挟殺プレーに初参加。この日は試合前のシートノックで右翼守備に就いた。だが、鈴木自身はあくまで慎重な姿勢を崩さない。

 「沖縄に来て初めての動きが増え、足首が疲れて痛みが出る時もある。ただ治療すれば良くなるので、その繰り返し。手探り状態は変わりません」

 その一方では、完全復帰への青写真が描かれている。松原チーフトレーナーは「あくまでプラン」と前置きしつつ「次のクールの練習試合でしっかり打席に立ち、2月最後の2試合でスタメンという形で守備に就くことができれば」と語った。

 練習試合は21日のロッテ戦と、翌22日の韓国・KIA戦。2試合にDHで先発出場し、問題がなければキャンプ終盤のオープン戦2試合(24日=楽天戦、25日=巨人戦)でスタメンに名前を連ね、右翼守備にも入る予定だ。

 「調子に乗って悪化するのは嫌。一日一日チェックしながら」

 はやる気持ちにブレーキをかけ、鈴木は完全復帰への階段を一歩一歩登る。春の明るい光が見え始めている。 (江尾 卓也)

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