【裏方の流儀】阪神・嘉勢打撃投手 20年前の「二刀流」フル回転

[ 2018年2月18日 11:00 ]

オリックス時代に「二刀流」で話題をさらった嘉勢打撃投手
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 エンゼルス・大谷が海を渡る約20年前、「二刀流」で話題をさらったのが、阪神・嘉勢敏弘打撃投手だ。現役時代はオリックスで00年に外野手登録のままプロ初勝利。現在は「野手の気持ちが分かる打撃投手」として選手の相談相手となっている。

 「僕の場合は“もっとこうしたらいいのにな”と気付くことが、他の人よりもあるとは思う。もちろん、コーチじゃないので、こちらから教えたりはしないけど、何か聞かれたらいつでも答えられるようにはしています」

 北陽ではエースで4番。94年ドラフト1位でオリックスに外野手として入団し、97年から外野手登録のままマウンドにも上がった。99年は野手で80試合に出場した一方で、01年には貴重な中継ぎ左腕としてリーグ最多の70試合に登板するなど、その球歴は異色だ。

 現役引退後、高校の先輩で当時監督だった岡田彰布氏に誘われて阪神の打撃投手に転身した。今年で14年目。「なりたての頃は打者と対戦する感覚で、本能的に抑えにいってしまうこともあった。今は当時ほどの球威はないけど、その打者が打ちやすいところ、投げてほしいところに投げるように心掛けています」。日々の体のケアは欠かさず、オフには自主トレも行う。今ではブルペン捕手や守備練習での“急造野手”もこなし、「二刀流」以上のフル回転を見せている。(山添 晴治)

 ◆嘉勢 敏弘(かせ・としひろ)1976年(昭51)10月6日、兵庫県生まれの41歳。94年に北陽(現・関大北陽)のエース兼4番として甲子園に春夏連続出場。94年ドラフト1位で外野手としてオリックスに入団し、272試合に出場し、打率・135。投手としては通算136試合に登板し3勝7敗、防御率4・84。05年から阪神打撃投手。

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