鳥谷「逆に楽しみながら」二塁転向決定後初めて心境語った

アップするナインを背に、早出特守を行う鳥谷
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　全体練習開始前のメイングラウンド。阪神の若手内野手が日替わりで受ける早出特守に、「二塁・鳥谷」の姿があった。第３クールの１０日に本格的なコンバートが決まったばかり。遊撃の糸原、植田とともに約４０分間、久慈内野守備走塁コーチの打球を追った。

　「まだ慣れるというところまではいってないですけど、本当に練習して、少しでも技術を上げられるように。最初は“できるかな”？という感じはありましたけど、言われたからにはしっかり練習するしかない」

　二塁転向が決まってから初めて示した意気込みだった。ベテランの早出特守参加は異例。だが、同コーチからの提案に、二つ返事をしたという。

　昨季は長年守り抜いてきた遊撃を明け渡しての三塁転向。序盤はミスも目立ったが、試合を重ねる度に順応して、ゴールデングラブ賞を受賞した。今季こそレギュラーを確約されていたはずが、変革期というチーム事情があり大山の三塁起用が決定。予想外の２年連続のコンバートに、モチベーションを保つことは容易ではないだろう。それでも、幾多の壁を乗り越えてきた男だからこそ、こう言い切れる強さがある。

　「毎年毎年挑戦ですけど、やっぱり、ポジションが変わるというのは難しい部分がある。そこは自分としては、逆に楽しみながらやっていきたい」

　過酷な挑戦であることはわかっている。その上で「楽しみ」と表現できるのは、抱き続ける悲願達成のために、必要なことだとわかっているからだ。

　「チームとして優勝に向かっていく。チームの優勝、勝利に貢献できるように。１試合でも多く出ることです。毎年そうですけど、ポジションが変わって、何ができるかを考えながらやりたい」

　若手時代に味わった頂点をもう一度。鳥谷の挑戦は終わらない。（巻木　周平）