中日・松坂「ボールを動かす形」新モデルにトライ…全球種解禁

[ 2018年2月6日 08:33 ]

今キャンプ2度目のブルペンで森監督(後方右)が見つめる中、ピッチングする松坂
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 中日の松坂大輔投手(37)が5日、キャンプ2度目のブルペン入り。捕手を座らせて13球を投じるなど、計56球を投じた。全球種を解禁し、打席に立った昨年のセ・リーグ新人王の京田陽太内野手(23)をうならせた。また、視察に訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)からは国際大会の経験を若手に伝えるよう期待された。

 ついに解禁した。14球目、松坂が赤田ブルペン捕手に声を掛けた。「スライダーで」。右腕から投じた球はホームベース付近でブンッと曲がった。その後もチェンジアップ、カットボール、ツーシームと次々に投げ込んだ。

 「変化球は確認作業で全部投げました。今日はあまり良くなかった。無駄な力が入る場面が多かったのでもう少しリラックスして投げられたら良かった」

 これまでのブルペンでは直球と「フォームを確認するため」のカーブのみだった。44球目からは初めて捕手を座らせて13球。座らせた直後に打席に立った京田にもカーブ、スライダー、チェンジアップを投じた。京田は「軽く投げているのにスピンが利いて手元で伸びてきた。雰囲気があってマウンドが近くに感じた。そう感じるのは各チームのエースクラスの人。(巨人の)菅野さんとかマイコラスとか」とオーラに圧倒された。

 豊富な球種を持つ松坂だが、15年8月の右肩手術までは150キロを超える速球主体でねじ伏せてきた。だが、今は考え方を変えた。「直球の質を求める作業には変わりはないですが、持っている球種をうまく使って、ボールを動かす形をイメージしている」と語る。ソフトバンク時代の昨年も同様に取り組んだが右肩痛で体現できなかった。「昨年やろうとしてできなかったことを今年もう一度、取り組む意識でいる」。全球種をミックスさせた投球練習にその覚悟がにじんだ。

 この日で第1クールを終え「自分が決めたスケジュール通りに練習をこなせた」と松坂。チームは第2クールから実戦が始まるが「去年はどんどん投げてアピールしようとして失敗した。同じことを繰り返さないように」と焦りはない。右肩の故障再発への恐怖心を少しずつ取り除き、まずは投球フォーム確立を目指す。(徳原 麗奈)

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