長野VS陽 右翼バトルだ!空いた中堅は若手競争枠、G戦力底上げ図る

[ 2018年2月4日 05:30 ]

巨人宮崎キャンプ 右翼の守備位置について練習する陽岱鋼(左)と長野
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 サプライズ起用で戦力底上げ!巨人の宮崎春季キャンプは3日、今季初のシートノックで陽岱鋼(ヨウダイカン)外野手(31)が長野久義外野手(33)と同じ右翼に入った。高橋由伸監督(42)は昨季中堅レギュラーだったリードオフマンを右翼で起用する新プランを披露。実績十分の2人が競争し、空いた中堅を「若手枠」に設定。競争をあおり、チーム全体の底上げも狙う。

 巨人で初めて見る光景だ。陽岱鋼が今キャンプ初のシートノックで右翼へ向かう。「久しぶりだったけど違和感はなかった。チームが勝つための事情もあるので、やるしかない」。ゴールデングラブ賞に4度輝いた中堅の名手は言った。

 今キャンプで首脳陣から「右翼を守ってほしい」と打診された。14年に打率・293、25本塁打をマークした台湾出身のスターにとって、11年以来となるポジションだ。そこには、首位打者などの実績と人気を誇る長野が待ち受ける。ゴロを捕球した長野が、三塁にノーバウンド送球。今度は陽岱鋼がワンバウンドの鋭い返球を見せ「(スタメンを)勝ち取る気持ちでやりたい」と話した。

 この併用には高橋監督のメッセージが込められている。「競争と言っていますから。坂本以外はどこを守るかまだ決めていない」。改めて遊撃以外のポジションが保証されていないことを強調。大西外野守備走塁コーチは「ライトは2人の競争になる」と断言し、「長野にも火が付く」と相乗効果を期待した。

 昨季の長野は春先から調子が上がらず4月は打率・177。夏場に盛り返したが、前半戦は極度の不振で、スタメンから外れる試合も目立った。12月の契約更改では「春先からガンガン打てるように頑張りたい」と話し、テーマを「戦い」とした。その戦いが宮崎で待ち受けた。前日も育成の松原と特守で夕暮れまで白球を追った。

 中堅を空けたことで、若手の競争枠もできた。シートノックで入ったのは3年目の重信、松原、新人の若林(JX―ENEOS)。大西コーチは「2軍の柿沢やケガ(で3軍)の橋本到がいる。センターは若手の競争」とあおった。指揮官は2軍が練習するひむか球場にも足を運んだ。この時期では異例の視察。2時間にもわたり、戦力をチェックした。

 若手の台頭がなければ、右翼と中堅に長野と陽岱鋼が入るが、若手が伸びれば右翼は一人に絞られる。陽岱鋼は「今はレギュラーと決まっていない。しっかりアピールしたい」と前を向いた。長野は報道陣の問いかけに無言でうなずいた。表情からは決意がうかがえた。(神田 佑)

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2018年2月4日のニュース