ソフトB千賀“正真正銘”スライダーで新境地、女房役・甲斐うなった

[ 2018年2月4日 05:30 ]

ソフトバンク宮崎キャンプ ブルペンで投げ込む千賀
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 “本物”のスライダーで新境地を切り開く。ソフトバンクの千賀滉大投手(25)が3日、宮崎キャンプで2度目のブルペン入りし、90球を投じた。昨季は縦に変化していたスライダーを横に曲がるように改良中。この日も数球試し、昨季バッテリーを組んだ甲斐拓也捕手(25)をうならせた。侍ジャパンでも先発を任される右腕は、さらなる進化を目指している。

 女房役の甲斐が思わず声を上げた。軸となる右足にしっかりと体重を乗せ、豪快に腕を振って放たれた千賀のスライダー。打者に近いところで、横に滑るように曲がりミットに収まった。それは“正真正銘”のスライダーだった。

 「今まで使っていたスライダーは緩いスライダー。(縦に変化する)スラーブのような感じ。今はまた違うスライダーを試していて、使い分けられたら面白くなる」

 昨季は勝率第1位で初タイトルを獲得したが、15本塁打を浴びた。「スライダーを放り込まれてた。ずっと変えたいと思っていた」と千賀。レギュラーシーズン最終登板、昨年10月6日のオリックス戦(ヤフオクドーム)で若月、T―岡田に本塁打を許した。その両方ともスライダーだった。

 課題克服にオフから取り組んでいた。春季キャンプ直前の1月下旬、福岡県筑後市のファーム施設での自主トレ中にも甲斐を相手にして“新球”を試していた。ただ、この日の切れはひと味、違ったという。

 「速いし、曲がりも大きい。一番エグかったのは(新垣)渚さんくらい」と甲斐。2004年に最多奪三振(177個)のタイトルを獲得した、通算64勝の新垣渚氏(現ソフトバンク球団職員)の伝家の宝刀スライダーの曲がりを例に挙げた。

 とはいえ、まだ手探りの段階。千賀は「打者の手元で曲がればベスト。手応えはまだ微妙」と首を振る。これまでもフォークの調子が悪い時は、直球にスラーブとカットボールの組み立てでしのいできた。改良中のスライダーで被本塁打を減らせば、目標に掲げる最優秀防御率のタイトルも近づいてくる。

 「スライダーは得意じゃないから、凄い球になるように練習するだけ。フォームは固まってきている。球数をこなしながら、修正していきたい」

 “お化けフォーク”でその名をとどろかせてきた千賀が、新たな武器でさらに化ける。

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2018年2月4日のニュース