センバツ主役は二刀流の大谷 初出場の千葉・中央学院のエースで4番

[ 2018年1月27日 05:30 ]

センバツ出場を決めた中央学院の大谷を胴上げする選手たち
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 第90回選抜高校野球大会(3月23日から13日間)の選考委員会が26日に毎日新聞大阪本社で行われ、記念大会で4校増えた出場36校が決まった。2000年度生まれの「ミレニアム世代」が新3年生として迎える春。注目の一人が、春夏通じて初の甲子園出場を決めた中央学院(千葉)の大谷拓海投手(2年)だ。最速145キロ右腕は打撃でも4番。「二刀流の大谷」が球速150キロと本塁打を目標に挙げた。

 午後3時22分。寒波を忘れさせる春の知らせが中央学院ナインに届いた。エースの大谷は、藤森庸一校長から初のセンバツ出場決定が知らされても無表情のまま。徐々に実感が湧き、笑顔がこぼれた。

 「ずっと見ていた舞台に立てるのはうれしい。選ばれるかドキドキしていた。練習の成果を出して、優勝したい」

 投げては最速145キロ、打っては高校通算23本塁打を放っている二刀流の大谷。エンゼルス・大谷と比較され、注目度は高まる一方だ。「注目される中で活躍できれば、もっと注目されると思う」と白い歯を見せた。

 昨秋は関東大会を制し、明治神宮大会では優勝した明徳義塾との初戦に3―5で敗れた。大谷は進化を目指し、冬場に体重を増やす「食トレ」を実施。週3、4日のペースで夕食後に焼き肉店に向かい、ご飯1・2キロと焼き肉を食べている。

 「ご飯が嫌いになる」と苦笑いするが、体重は昨秋から7キロ増えて77キロに。捕手の池田主将は「球が速くなっている」と実感する。甲子園での目標は「150キロを出したい」。シュート回転をなくし、左打者の内角に投げる練習も積んだ右腕は「明徳義塾と一番対戦したい。左打者が多いので成果が出せる」とリベンジを誓った。

 本家と同じ左打ちの打撃では神宮大会の明徳義塾戦で外角球を左翼席に運び、観衆の度肝を抜いた。冬は連続ティー打撃でコンパクトに振ることを意識し、課題の内角打ちの練習を徹底した。エンゼルスの大谷は花巻東時代の12年大会で大阪桐蔭・藤浪(現阪神)から本塁打。衝撃の一発から6年後に聖地に降り立つ大谷も「カウントによっては(本塁打を)狙っていきたい」と笑顔で宣言した。

 目指す投手ではダルビッシュ(ドジャースからFA)、打者は柳田(ソフトバンク)。メジャーでも二刀流に挑む大谷について「凄いと思う」と尊敬し「続けられるなら最後まで二刀流を続けたい」と、プロでの二刀流も見据えた。まずは初めての大舞台で「大谷旋風」を起こす。 (渡辺 剛太)

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