乙訓・市川靖久監督 人間力磨き“打倒平安”でチーム強化

[ 2018年1月26日 11:30 ]

甲子園ベスト8を目標に掲げる乙訓・市川監督
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 【春を待つ注目の指揮官(下)】 乙訓の市川靖久監督(35)は、鳥羽(京都)で主将を務めた3年時の2000年に「1番・中堅」で春夏連続甲子園出場を果たし、選抜では4強入りに貢献した。その00年に生まれた世代が現在の2年生。不思議な縁と強い結びつきを感じながら、指導者として初めての聖地を心待ちにする。

 保健体育教諭として赴任した北稜で05年から10年間、野球部監督としても経験を積み、15年4月から乙訓に移った。『目標に向かって、真剣に取り組み、何事にも粘り強く最後までやり遂げることの出来る人間形成』が指導方針。「野球も大事ですが、将来、野球から離れる子が大半です。社会に出て通用する、大事にされる人間になってほしい。人間を磨く、一つの方法として野球がある」と力説する。

 模範の一人に挙げるのが、鳥羽の1学年後輩で、ダイヤモンドバックス入りした平野佳寿。「何億円も稼ぐ投手になりましたが、人柄は昔とまったく変わらない」といい、今月中旬に平野の激励会で再会したが、変わらぬ人柄に触れた。

 両翼100メートルを超える学校グラウンドは外野が天然芝で内野は黒土。室内練習場は最大6カ所で同時に打撃練習が可能で、抜群の環境が整う。京都府内初、唯一の体育系専門学科であるスポーツ健康科学科があるのも特徴の一つで、主力組では主将の中川、宮田、富山らが学んでいる。

 チーム理念として、指揮官は甲子園ベスト8を掲げる。「甲子園に出場することだけを目標にしていては出場できない。京都には龍谷大平安がいる。平安は甲子園で必ず8強以上に食い込む。それくらいの力がないと、京都で勝てないし、平安にも勝てない。平安に勝ちたい。その一心でやってきました」。タッグを組む染田賢作部長(35)は元横浜(現DeNA)投手で主に投手陣の指導を任せる。川畑、富山のダブルエースを擁し攻撃陣も昨秋1試合平均8・3得点を誇った昨秋は近畿大会で4強進出。春夏通じて初出場を果たせば、市川監督の現役時代の4強を超える可能性も十分にある。 (吉仲 博幸) =終わり=

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2018年1月26日のニュース