創成館・稙田監督「何でも報告、相談」信頼関係が生んだ番狂わせ

[ 2018年1月25日 10:30 ]

センバツ1勝を誓った創成館の稙田龍生監督
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 【春を待つ注目の指揮官(中)】 積み重ねた指導が花開いた。創成館は昨秋、9回目の九州大会出場で悲願の「九州王者」に。稙田(わさだ)監督は「一番欲しかったタイトルだった」という。そして臨んだ明治神宮大会。「(秀岳館の元監督)鍛治舎さんより早い2008年から」取り組んできた“ノーステップ打法”が機能した。

 「無駄な動きがなく速い球に有効。両足を広げ重心を下げるので、目線がぶれない。長打はないが逆方向に打てる」。対速球投手や追い込まれたカウントで選手に実践させた。準決勝では全員がドラフト候補に挙がる大阪桐蔭の柿木、横川、根尾から12安打を放ち、優勝候補を撃破した。

 豊富な投手陣も駆使して準優勝。「社会人から監督を20年近くやっていて、あんなにことごとく采配がうまくいったことはない。運を使い果たした」。秋の快進撃を照れ笑いで謙遜するが、的確な采配は、選手と寮で生活し「何でも報告、相談がある」という厚い信頼関係が生んだ必然に他ならない。

 心理カウンセラーの資格を取得し、選手へ掛ける言葉に心を砕く。「日常の行いで人間的に成長すれば野球も上達する」とナインを見守り、「監督の力量以上にチーム力は上がらない」と自身の向上も課す。13、14年の春、1勝を挙げた15年夏に続く甲子園出場は確実で「まず1勝。センバツ初勝利をなんとしても勝ち取る」と言い切った。 (村田 有子)

 ◆稙田 龍生(わさだ・たつお)1964年(昭39)2月29日、大分県国東市出身の53歳。別府大付から九州三菱自動車へ。選手として14年活躍し、99年〜08年は監督を務めた。05年日本選手権8強。08年に創成館監督に就任。今年のスローガンは「球ギワの執念〜気づきの多さが勝敗を分ける〜」。教え子に帆足和幸(元ソフトバンク)、有銘兼久(元楽天)ら。

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2018年1月25日のニュース