ハム宮台×林修先生と師弟初対談!勉強しちゃった…「ジレンマでした」

[ 2018年1月23日 09:00 ]

「今でしょ!」とポーズを決める林修氏(左)と宮台
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 東大から6人目のプロ野球選手となった日本ハムのドラフト7位・宮台康平投手(22)と、大の野球ファンで「今でしょ!」で知られる東進ハイスクール・東進衛星予備校の林修先生(52)の対談が実現した。ともに東大法学部で、宮台は高校時代、林先生の生徒だったという意外な接点もある。東大と野球。大いに語り合った。(取材・構成 鈴木 勝巳)

◆勉強で体力不足 我慢のしどころ

 林 「ここまで自主トレはどうですか?」

 宮台 「東大でやっていたのとはレベルが違います。施設も充実しているし、国立大から来ると驚かされる環境です」

 林 「東京六大学で通算6勝。僕は体育会のゴルフ部で、当時からお互いに応援しあう伝統がある。神宮では、投げる姿は直接は見られなかったけれど」

 宮台 「(観戦に)来ていただいたのは聞いていました。ありがとうございました」

 林 「僕は現役の時に(野球部が)30連敗して…。(87年に)慶応に1つ勝った、この試合を見に行っていた。凄く感動して。しかし、そこから70連敗したんです。宮台君と会うのは今日が初めて」

 宮台 「僕は高3の春ぐらいから東進の衛星予備校に通って、映像で林先生の現代文の授業を受けていました。そのおかげもあって現役で合格(笑い)。お世話になりました」

 林 「いよいよプロの世界。ずっと小さい頃から野球をやってきたメンバーとはやってきた運動力が全く違う。(受験で)英数国理社社、と勉強しちゃったんでしょ?」

 宮台 「しちゃいましたね」

 林 「だからこそ体力。個人的には、そこが我慢のしどころだと思うんです。焦らずにいってほしいなあ。法学部は何類?」

 宮台 「2類です。(卒業に必要な)90単位は取りました」

 林 「法学部は入る勉強より単位を取るのがきつい。それをやっちゃった分だけ、運動はできていない」

 宮台 「本当にテスト期間は“俺、何やってるんだろう”と思うぐらい勉強しないといけない。プロ行きを公言してからも“こんなことしてていいのかな…”って。でも、卒業しないと意味がない。ジレンマでしたね」

 林 「あれをやりきると走り込みの練習は減る。僕らの時は、試験中に吐いて倒れた人がいたぐらいだから。プロで先発、リリーフの希望は?」

 宮台 「大学の時は先発が多かったけれど、東大では分業ができなかったのでリリーフはあまりなかったです。でも、短いイニングも試してみたい。どこでも、まずは投げるのが第一です。」

◆マウンドでは学歴関係ない

 林 「球種は?」

 宮台 「直球とカーブ、スライダー、チェンジアップです。一番自信があるのがチェンジアップ。今は東大で一人でやっているのとは違う。うまい人が周りにいる環境は大事だと思います。僕も進学校にいたから東大に行けた部分はある。いろんな人に聞きながらやっていきたい。ところで、林先生は元々、銀行に勤めてらしたんですよね。それで東進、という道なので、世間の人が思う東大の正規ルートではない。そういう意味では僕も一緒かな、と思う。どこかで同じ気持ちがあるのかな、って」

 林 「僕は、できることしかしない。逆に“これはできる”ということに関しては、誰にも負けない、というレベルに持って行く。宮台君は(プロの)サラブレッドがいっぱいいる世界に飛び込んできた。そこで、直球の切れとか“ここなら絶対に負けない”という、自分のこの形をつくったらプロでやっていける、というのを見つけてほしい」

 宮台 「僕の武器は、まずは真っすぐだと思う。その上で変化球です」

 林 「今日話していてますます宮台ファンになったんですけど、僕の本音は今年はずっと2軍で鍛えてほしい」

 宮台 「はははっ」

 林 「僕は普段メジャーリーグをよく見ているんですけど、期待された投手でも1年、2年とマイナーでとことん鍛えるので。22歳で入って26歳で初登板なんてのが多いですから」

 宮台 「まずは2月17日に紅白戦があると言われているので、そこに合わせて。しっかりアピールして、一個ずつクリアしていって早く1軍に入ること。僕としては(笑い)」

 林 「もちろん本人はそうだよね(笑い)」

 宮台 「まず対戦してみて、駄目なら反省点も出る。プロというものがどういうものか味わってみないと分からない。本気でぶつかった時に実力差が本当に分かると思うので。駄目ならもう一度、ファームで自分の課題をつぶします」

 林 「願いがかなって1軍にいれば“やった”と思うだろうし、もしうまくいかなくて“下(2軍)にいろ”と言われたら“あ、林が喜んでるな“と思って(笑い)。でも、絶対活躍できると思う。1軍で投げる時はこの目で見たいなあ」

 宮台 「僕も楽しみです。マウンドに立ったら学歴は関係ない。やってやるぞという気持ちでプロに入ったので。精いっぱい、やりきりたいです」

 ◆宮台 康平(みやだい・こうへい)1995年(平7)7月1日、神奈川県生まれの22歳。湘南では3年春に背番号7ながら投手も務め神奈川大会8強入り。東大では1年秋からリーグ戦に登板し、2年秋の法大戦で初勝利。3年春には2勝。リーグ通算36試合で6勝13敗、防御率4・26。17年ドラフト7位で日本ハムに入団。東大法学部出身では初のプロ野球選手。1メートル78、83キロ、左投げ左打ち。

 ◆林 修(はやし・おさむ)1965年(昭40)9月2日、愛知県生まれの52歳。私立東海高校から東大法学部に進み、89年に卒業。日本長期信用銀行に入行し、退行後に予備校講師に転身。92年から東進ハイスクールに所属。現在は東進ハイスクール・東進衛星予備校の国語科(現代文)専任講師。「今でしょ!」が13年に新語・流行語大賞を受賞。メジャーリーグ通でテレビ中継のゲスト解説を務めたことも。13年にはロッテ―楽天戦で始球式も行った。

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