阪神ドラ2高橋遥に草魂注入 鈴木啓示氏「僕より1つ多く318勝してくれ」

[ 2018年1月20日 05:30 ]

ブルペンの投球を終えた高橋遥(左)は鈴木啓示氏からアドバイスを受ける
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 期待の新人左腕に「草魂」が注入された。阪神のドラフト2位・高橋遥(亜大)が鳴尾浜球場で新人合同自主トレ3度目のブルペン投球に取り組み、訪れた鈴木啓示氏(スポニチ本紙評論家)から激アツのエールを送られた。

 「“自分の持っている以上のものを出そうとせずに、一歩一歩積み重ねて頑張れ”と言っていただきました」

 新人5投手のうち、一人だけブルペンに向かったところで“雲の上の人”と初対面した。同じ先発型の左腕として球史に名を残したレジェンド。緊張気味に握手を交わし、優しい言葉と同時に鬼ノルマも課せられた。鈴木氏がやりとりを明かした。

 「プロに入るのが夢やったんやろうけど、入ってからが勝負やから。投手なら何勝するか、打者なら何本打つか。“僕は317勝やから、それより1つ多く318勝してくれ”と言った」

 現代のプロ野球では至難の業なのは承知の上。ただ、それぐらいの気概でプロの世界に挑んで欲しい。球界の大先輩の真情だった。

 ブルペンではスライダーを初試投するなど40球。鈴木氏も「腕の振りがいい」と高評価だった。休日を除く直近4日間でブルペン入りは3度目。投げる体力を見せつけた。

 「大学4年間ずっとそうやってきた。大学のキャンプでは週に6回入って、(合計)1000球も行く時は行っていたんで」

 鈴木氏が過酷な走り込みや投げ込みで超一流に上り詰めたように高橋遥も日本一厳しいとも言われる亜大で鍛えてきた。猛練習は望むところ。草魂の土台は既にある。(山添 晴治)

 ▽草魂 鈴木啓示氏の座右の銘で自身の造語。近鉄で現役の70年代、自宅敷地内のコンクリートを割って生える雑草の生命力に感銘を受け、弱い自分を奮い立たせるため思いついた「雑草の魂」から転じて「草魂」とした。

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2018年1月20日のニュース