筒香 野球人口減に危機感 未来思い苦言「指導者の顔色を見ながらプレーしている」

[ 2018年1月15日 05:30 ]

野球体験イベントで豪快なバッティングを披露する筒香に大喜びの子供たち
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 「日本の4番」による野球界への提言だ。DeNA・筒香が大阪府内で、中学時代に所属し、スーパーバイザーを務める「堺ビッグボーイズ」主催の野球体験会にゲスト参加。野球未経験の子供たちに野球の楽しさを伝えると、未来の日本球界に対する危機感も口にした。

 約25分間の「独演会」だった。「野球人口がなぜ減っているのか」。10年に約1万5000だった少年野球チームが、16年には約1万2000まで減った。球界を代表する選手になった今だからこそ、「指導のあり方」と「野球の国際化」について持論を展開した。

 「まずは勝利至上主義。楽しそうに野球をやっていない。指導者の顔色を見ながらプレーしている」。強豪チームほど結果が優先される。練習も「勝つために練習量が増えて、(ケガで)未来がつぶれてしまった子供たちを見てきた」と苦言。負ければ終わりのトーナメント方式で多くの大会が運営されることにも危機感を抱く。

 15年オフにはドミニカ共和国へ武者修行に出掛けた。米国や中南米では、指導者が選手の個性や感性を尊重し、少年野球から投手に連投をさせないルールも厳守される。日本式の良さも認めるが「遅れているのが現状。海外に目を向けて吸収しなければいけない」と強調した。

 少子化が進み、中学生以下の競技人口は大幅に減少。球界全体で問題意識を共有するべきだと考える。「僕も勇気を持ってトライしていく。子供たちのためにメッセージを発信する」。野球界の未来のために、筒香が先頭に立ってアクションを起こす。 (重光 晋太郎)

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