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中村武志氏 “闘将”との壮絶な師弟関係に笑顔「不思議なことに涙が出ない」

星野仙一さん死去

中日時代、ベンチ内で星野監督(左)に怒鳴られる中村
Photo By スポニチ

 中日、阪神、楽天で監督を務めた星野仙一さんの訃報は、球界だけでなく日本中に大きな衝撃を与えた。突然の訃報から数日後、中日時代の教え子で、現韓国・KIAの中村武志バッテリーコーチに直接会って、思い出話を聞かせてもらった。

 場所は神奈川県内のいきつけの和食の店。こじんまりとした店内のカウンターには、星野さんの笑顔の写真が小さな額に入って飾られていた。焼酎の水割りのグラスを持ち上げ、写真に向けて献杯した中村コーチ。「びっくりだよな、ほんとに」。グラスを傾けながら、中日の正捕手に育ててくれた恩師との日々を振り返っていた。

 「まあ、間違いなく俺が一番怒られたし、殴られたもんな。怖かった?怖いなんてもんじゃないよ。でも、優しい人なんだよ」

 突然の訃報に、教え子として誰よりもショックを受けている。にもかかわらず「不思議なことに、涙が出ないんだよ。お別れの会に行けば、さすがに涙が出るかな?」と冷静だった。現実を受け入れることを本能で拒んでいるのか、それとも感情のキャパシティを越えて放心状態が続いているのか――。中村コーチ自身も理由は分からないという。

 中村コーチは、ロッテのバッテリーコーチを務めていた時からお世話になっている。よく食事にも連れて行ったもらった。酒が入ると常々、星野さんとの思い出話を口にしていた。鉄拳制裁の話、朝まで夜通しで素振りをさせられた話――。苦しい過去ではあるが、振り返るときはきまって笑顔だった。この日も同じだった。

 翌日の取材が早朝だったこともあり、一足早く失礼した。帰り際に、ほろ酔いの中村コーチは言った。「よく、“星野さんはどういう存在ですか”って聞かれるんだよ。でも、何て答えていいか分からなくて。とにかく、星野さんがいたから自分がいる。それだけは言えるな。そんな人に出会えたって、すっごく幸せなことだよな」。うらやましかった。中村コーチは最後まで涙をみせなかった、店を出た瞬間、私が泣いてしまった。(記者コラム 重光晋太郎)

[ 2018年1月13日 10:00 ]

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