阪神・秋山、主力の自覚 後輩へ口出す「気付いたこと伝えたい」

[ 2018年1月11日 05:38 ]

室内でキャッチボールを行う阪神・秋山
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 主力の自覚と、がむしゃらにアピールする若手のようなハングリーさ。一見、相反する2つの思いを胸に共存させた。先発陣の柱と期待される阪神・秋山拓巳投手(26)が10日、京都府内で自主トレを公開。チーム最多12勝を挙げた昨季に満足せず「ニュー秋山」としてさらなる活躍を誓った。

 「1年間1軍でやって、全体的に足りない部分を多く感じた。今は“もっと良くなる、もっと良くなる”と前向きにやっている。今までは年下に抜かれるのが嫌で、何か気付いても言わなかったこともあったけど、伝えることで逆に自分が気付くこともある。当然、競争ですけど、しっかり思ったことを言いながらやりたい」

 言葉には昨年までとは違う重みがあった。藤浪、岩貞が不振で、メッセンジャーも途中離脱した苦しい先発陣を支え続けた昨季。得られた経験は計り知れない。その一つの表れが後輩との接し方。恒例の京都での合同自主トレでは、ダイヤモンドバックスに移籍したオリックス・平野からフォークの投げ方などを盗みながらも、他球団の若手選手には惜しみなく助言している。

 一方で初心も忘れない。例年1軍生き残りへ猛アピールしてきた春季キャンプ。今季は開幕ローテ入りが確定的ながら「例年通りしっかり仕上げたい。僕は投げ込んでいくタイプと思う。まずはローテーションに入ること。それまでにすべきことをしっかりやりたい」とエンジン全開で臨む意気込みだ。

 昨季の活躍を受け、オフはイベントで引っ張りだこ。12月には「しばらく投げられなくて、肩が痛くなったらどうしよう、感覚が変わったらどうしよう不安だった」と告白した。ただ、元旦から京都で始動し「想像以上に例年よりも投げられている」と手応え十分。飛躍の一年を経た大器は、見違えるように頼もしくなった。

 秋山は今年の漢字を「昇」と記した。「もっともっと昇れる、伸びることができるなと思ったので」と理由を説明。1年間1軍で投げ続けたことで逆に自分の足りない部分、伸びしろを見つけることができた。1メートル88、97キロの恵まれた体を「使い切れていないとすごく感じた」と振り返り、体幹トレーニングなどで特に下半身を強化中。向上心の塊のような姿に周囲の期待度も上昇一途だ。

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2018年1月11日のニュース